最終更新: 2026-06-13
世界のヴィーガン食品市場は2025年時点で約481億米ドル規模に達し、年間8%超のペースで成長を続けています(The Business Research Company調べ、2025年時点)。日本でも植物性食品への関心が年々高まるなか、実は和菓子が「もともとヴィーガンに向いているスイーツ」として海外からも注目を集めています。
「ヴィーガン対応のお菓子を手作りしたいけれど、洋菓子はバターや卵が多くて難しい」「和菓子ならヴィーガンで作れると聞いたけれど、具体的なレシピがわからない」とお悩みではないでしょうか。
この記事では、動物性原料を一切使わずに作れるヴィーガン和菓子のレシピを5品厳選し、材料の置き換え方から失敗しないコツまで、和菓子作りの視点から丁寧に解説します。まずヴィーガン和菓子の基礎知識を整理し、次に具体的なレシピ、そして動物性原料が入りがちな和菓子の見分け方と代替材料の一覧をお伝えします。
ヴィーガン和菓子とは?和菓子が植物性スイーツに向いている理由
ヴィーガン和菓子とは、卵・乳製品・ゼラチン・はちみつなどの動物性原料を一切使用せずに作る和菓子のことです。
和菓子の世界には、もともと植物性原料だけで完結するものが数多くあります。和菓子と洋菓子の違いを見ると、洋菓子がバター・生クリーム・卵を多用するのに対して、和菓子の基本素材は小豆・米粉・砂糖・寒天といった植物由来のものが中心です。
| 比較項目 | 和菓子 | 洋菓子 |
|---|---|---|
| 主な甘味源 | あんこ(小豆+砂糖) | 砂糖+バター+生クリーム |
| 凝固剤 | 寒天(海藻由来) | ゼラチン(動物由来が主流) |
| 生地の材料 | 米粉・上新粉・白玉粉 | 小麦粉+卵+バター |
| 油脂の使用 | ほぼ不使用 | 多用 |
| ヴィーガン対応のしやすさ | 多くの品目がそのまま対応可能 | 大幅な材料変更が必要 |
このように、和菓子は構造的にヴィーガンとの相性が良いスイーツです。羊羹・大福・団子・練り切り・水羊羹など、伝統的な和菓子の多くはもともと動物性原料を使いません。
ただし、すべての和菓子がヴィーガン対応というわけではありません。どら焼きやカステラのように卵を使う和菓子もあるため、後述する「動物性原料が入る和菓子の見分け方」も合わせて確認してください。
ヴィーガン和菓子を作る前に知っておきたい材料と道具
ヴィーガン和菓子作りに必要な基本材料と道具を整理します。和菓子作りの道具については別記事で詳しく解説していますが、ここではヴィーガン対応で特に重要なポイントに絞って紹介します。
基本材料一覧
| 材料 | 用途 | 入手先の目安 | 価格帯(2026年時点) |
|---|---|---|---|
| 白玉粉 | 求肥・大福の生地 | スーパー・製菓材料店 | 200〜400円/200g |
| 上新粉 | 団子・餅の生地 | スーパー | 150〜300円/200g |
| 小豆 | あんこの原料 | スーパー・乾物店 | 300〜600円/250g |
| 甜菜糖(てんさいとう) | 甘味(精製糖の代替) | 自然食品店・スーパー | 400〜600円/500g |
| 寒天(粉寒天) | ゼリー状の和菓子 | スーパー | 200〜400円/4g×4本 |
| きな粉 | トッピング・風味づけ | スーパー | 150〜250円/100g |
| 片栗粉 | 打ち粉・とろみ | スーパー | 100〜200円/200g |
| 豆乳 | 牛乳の代替 | スーパー | 150〜250円/1L |
| メープルシロップ | はちみつの代替 | 自然食品店・スーパー | 800〜1,500円/250ml |
特に注意したいのが甘味料です。白砂糖は製造過程で骨炭(牛骨由来のフィルター)を使用する場合があるため、厳格なヴィーガンの方は甜菜糖やきび砂糖、メープルシロップを選ぶと安心です。
道具
基本的な和菓子作りの道具があれば十分です。蒸し器、ボウル、木べら、ラップ、電子レンジがあれば、今回紹介するレシピのほとんどに対応できます。
ヴィーガン和菓子レシピ5選|季節を楽しむ本格レシピ
レシピ1: ヴィーガンいちご大福(調理時間:約40分)
大福の包み方のコツを押さえれば、ヴィーガン仕様でも美しく仕上がります。
材料(4個分):
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 白玉粉 | 100g |
| 甜菜糖 | 30g |
| 水 | 120ml |
| こしあん(動物性不使用) | 120g |
| いちご | 4粒 |
| 片栗粉(打ち粉用) | 適量 |
作り方:
1. いちごを洗ってヘタを取り、水気をしっかり拭き取る
2. こしあんを4等分し、いちごを包んで丸める
3. 耐熱ボウルに白玉粉と甜菜糖を入れ、水を少しずつ加えながらダマがなくなるまで混ぜる
4. ラップをふんわりかけ、電子レンジ600Wで2分加熱する
5. 取り出して木べらでよく練り、さらに600Wで1分30秒加熱する
6. 全体が半透明になるまでしっかり練る
7. 片栗粉を広げたバットに生地を取り出し、4等分する
8. 生地を丸く伸ばし、あんこで包んだいちごを中央に置いて包む
ポイント: 生地の加熱が不十分だと伸びが悪くなります。半透明でつやが出るまでしっかり加熱・混練してください。
レシピ2: 寒天の水ようかん(調理時間:約20分+冷やす時間2時間)
6月から夏にかけて特においしい水ようかんは、寒天を使うためもともとヴィーガン対応です。寒天を使った和菓子の基本を応用したレシピです。
材料(4人分):
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 粉寒天 | 2g |
| 水 | 300ml |
| こしあん | 200g |
| 甜菜糖 | 大さじ1 |
| 塩 | ひとつまみ |
作り方:
1. 鍋に水と粉寒天を入れ、中火にかける
2. 混ぜながら沸騰させ、沸騰後さらに2分間煮溶かす
3. 火を弱めてこしあんを加え、ダマにならないようよく混ぜる
4. 甜菜糖と塩を加えて溶かし、火を止める
5. 流し型や容器に注ぎ、粗熱が取れたら冷蔵庫で2時間以上冷やし固める
6. 型から外して切り分ける
ポイント: 寒天は沸騰後に2分以上煮ることで、しっかり固まります。煮足りないと固まりが弱くなるので注意してください。
レシピ3: きな粉の白玉団子(調理時間:約20分)
シンプルながら、きな粉の香ばしさと白玉のもちもち感が楽しめる定番の和菓子です。
材料(2人分):
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 白玉粉 | 100g |
| 水 | 80〜90ml |
| きな粉 | 大さじ3 |
| 甜菜糖 | 大さじ2 |
| 塩 | ひとつまみ |
| 黒蜜(メープルシロップでも可) | お好みで |
作り方:
1. ボウルに白玉粉を入れ、水を少しずつ加えながら耳たぶくらいの硬さにこねる
2. 12〜15個に丸める
3. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、白玉を入れる
4. 浮き上がってきたらさらに1分ゆで、冷水に取る
5. きな粉と甜菜糖、塩を混ぜ合わせる
6. 水気を切った白玉にきな粉をたっぷりまぶす
7. 好みで黒蜜やメープルシロップをかけて完成
ポイント: 水の量は一気に入れず、少しずつ調整するのが成功の秘訣です。生地がベタつく場合は白玉粉を少量足してください。
レシピ4: 練り切り風アート和菓子(調理時間:約60分)
白あんベースの練り切りは、植物性原料だけで華やかな上生菓子を作れます。
材料(6個分):
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 白いんげん豆(乾燥) | 100g |
| 甜菜糖 | 80g |
| 白玉粉 | 10g |
| 水 | 大さじ1 |
| 食用色素(植物性) | 適量 |
作り方:
1. 白いんげん豆を一晩水に浸け、やわらかくなるまでゆでる
2. ゆでた豆をフードプロセッサーにかけ、裏ごしして白あんを作る
3. 鍋に白あんと甜菜糖を入れ、中弱火で練る。木べらで持ち上げてぽったりと落ちるくらいまで水分を飛ばす
4. 白玉粉に水を加えてレンジで30秒加熱し、求肥を作る
5. 白あんに求肥を混ぜ込み、しっかり練って「練り切りあん」を作る
6. 6等分し、植物性の食用色素で着色する
7. 手やヘラで季節のモチーフ(花、葉など)に成形する
ポイント: 白あんの練り上がりの水分量が仕上がりを左右します。鍋底に跡が残るくらいまでしっかり練ると、成形しやすい生地になります。白あんの作り方も参考にしてください。
レシピ5: 抹茶の葛まんじゅう(調理時間:約30分+冷やす時間1時間)
透明感のある葛生地に抹茶を合わせた、見た目にも涼しげな夏の和菓子です。
材料(4個分):
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 本葛粉 | 40g |
| 水 | 200ml |
| 甜菜糖 | 30g |
| 抹茶 | 小さじ1 |
| こしあん | 80g |
作り方:
1. こしあんを4等分して丸めておく
2. 鍋に葛粉と水を入れ、ダマがなくなるまでよく混ぜる
3. 甜菜糖と抹茶をふるい入れ、均一に混ぜる
4. 中火にかけ、木べらで絶え間なく混ぜ続ける
5. 全体が半透明になり、もったりしてきたら火を止める
6. ラップに生地を薄く広げ、中央にあんこを置いて茶巾絞りにする
7. 氷水で冷やし、冷蔵庫で1時間以上冷やして完成
ポイント: 葛粉は加熱中に急に固まり始めます。焦がさないよう手を止めずに混ぜ続けてください。本葛粉を使うと透明感が格段に上がります。
要注意:動物性原料が入る和菓子の見分け方と代替材料
和菓子は植物性原料が多いとはいえ、すべてがヴィーガン対応というわけではありません。以下の和菓子には動物性原料が含まれることがあります。
| 和菓子の種類 | 含まれる動物性原料 | ヴィーガン代替材料 |
|---|---|---|
| どら焼き | 卵(生地)、はちみつ | 豆乳+酢(卵の代替)、メープルシロップ |
| カステラ | 卵、はちみつ | 使用は困難(構造上、卵が不可欠) |
| 練り切り(一部) | 卵白(つなぎ) | 白玉粉の求肥で代用可能 |
| 金つば | 卵(衣) | 米粉+水の衣で代用 |
| 鮎菓子・若鮎 | 卵(皮) | 豆乳ベースの生地で代用 |
| 饅頭(一部) | 卵、牛乳(皮) | 豆乳で代用可能 |
| ういろう(一部) | 乳成分(風味づけ) | 豆乳・ココナッツミルクで代用 |
購入時のチェックポイントとして、原材料表示の「卵」「乳」「はちみつ」「ゼラチン」の4項目を確認する習慣をつけると安心です。特にはちみつは、見た目では判断できないため、表示を必ず確認してください。
卵の代替テクニック
どら焼きのように卵を使う和菓子をヴィーガンで作りたい場合、以下の代替方法があります。
| 卵の役割 | 代替材料 | 使用量の目安(卵1個分) |
|---|---|---|
| つなぎ | すりおろしバナナ | 1/2本 |
| 膨らみ | 豆乳+酢(または重曹) | 豆乳150ml+酢小さじ1 |
| 色づけ | ターメリック | ほんの少量 |
| コク | 豆乳ヨーグルト | 大さじ2〜3 |
実際に和菓子教室で講師をされている方に伺うと、「卵を使わないどら焼き生地は、豆乳と酢を合わせることで化学反応が起き、ふんわりとした焼き上がりになる。むしろ軽い食感が好みの方にはこちらを勧めることもある」とのことでした。
失敗しないためのコツと注意点
ヴィーガン和菓子作りで初心者がつまずきやすいポイントをまとめました。
| よくある失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 大福の生地がべたつく | 加熱不足 | 半透明になるまでしっかり加熱する |
| 寒天が固まらない | 煮溶かし不足 | 沸騰後2分以上煮る |
| 白あんが水っぽい | 練り不足 | 鍋底に跡が残るまで根気よく練る |
| 団子が硬くなる | 水分量が少ない | 耳たぶの硬さを目安に水を調整する |
| 練り切りがひび割れる | 乾燥 | 作業中はラップで覆い、乾燥を防ぐ |
あんこの種類と特徴を事前に理解しておくと、レシピに合ったあんこを選びやすくなります。こしあんとつぶあんでは水分量や食感が異なるため、レシピの指定に従うことが大切です。
そのほか、甘味料の選び方も仕上がりに影響します。甜菜糖は上白糖よりもコクのある甘さになり、和菓子の風味を引き立てます。メープルシロップを使う場合は液体分が増えるため、他の水分量を少し減らして調整してください。
ヴィーガン和菓子に関するよくある質問
Q1: 市販の和菓子でヴィーガン対応のものはありますか?
あります。羊羹・水羊羹・大福・団子・わらび餅・最中など、もともと動物性原料を使わない和菓子は多いです。ただし、メーカーによっては乳成分やはちみつを添加している場合があるため、購入前に原材料表示を確認してください。
Q2: 寒天とゼラチンは何が違いますか?
ゼラチンは牛や豚の骨・皮から抽出される動物性のたんぱく質ですが、寒天はテングサやオゴノリなどの海藻から作られる植物性の凝固剤です。寒天は常温でも固まった状態を保ち、歯切れの良い食感になります。ヴィーガンの方は寒天を選んでください。
Q3: あんこは必ずヴィーガンですか?
基本的なあんこ(小豆+砂糖+水)はヴィーガンです。ただし、白あんに卵白を加えるレシピや、黄身あんのように卵黄を使うものもあります。また、精製された白砂糖を骨炭でフィルタリングする工程があるため、厳格なヴィーガンの方は甜菜糖やきび砂糖で作られたあんこを選ぶ、または自分で炊くのが確実です。
Q4: ヴィーガン和菓子は日持ちしますか?
動物性原料の有無による日持ちの差はほとんどありません。和菓子は一般的に防腐剤を使わないものが多く、生菓子は当日〜翌日、羊羹や干菓子は数週間〜数か月保存できます。手作りの場合は、冷蔵保存で2〜3日を目安にお召し上がりください。
Q5: 子どもと一緒に作れるレシピはどれですか?
きな粉の白玉団子(レシピ3)が最もおすすめです。材料が少なく、工程がシンプルで、丸める作業を子どもと楽しめます。次にいちご大福(レシピ1)もおすすめですが、電子レンジで加熱した生地は非常に熱くなるため、大人が取り扱ってください。
Q6: ヴィーガン和菓子作りに特別な道具は必要ですか?
特別な道具は必要ありません。一般的な調理道具(鍋、ボウル、木べら、ラップ、電子レンジ)があれば今回紹介した5品すべてに対応できます。練り切り(レシピ4)で細かい意匠をつけたい場合は、三角棒やぬれ布巾があると便利です。
まとめ:ヴィーガン和菓子のポイント
ヴィーガン和菓子レシピのポイントを振り返ります。
- 和菓子は小豆・米粉・寒天など植物性原料が基本で、ヴィーガンとの相性が非常に良い
- どら焼き・カステラ・金つばなど、卵やはちみつを使う和菓子には注意が必要
- 卵の代替には「豆乳+酢」、はちみつの代替には「メープルシロップ」が有効
- 寒天はゼラチンの完全な植物性代替で、和菓子では古くから使われてきた
- 甘味料は甜菜糖やきび砂糖を選ぶと、より厳格なヴィーガンにも対応できる
植物性原料だけで作る和菓子は、アレルギー対応やヘルシー志向の方にも喜ばれます。まずは材料の少ない白玉団子や水ようかんから挑戦してみてください。
和菓子作りの基本をもっと深く知りたい方は、和菓子の道具と選び方の記事もおすすめです。
参考情報
- The Business Research Company「Vegan Foods Global Market Report」(2025年) — ヴィーガン食品市場規模データ
- 農林水産省「寒天(かんてん)について教えてください。」(maff.go.jp) — 寒天の原料・製法
- 特選街web「ゼラチンと寒天の違い」(tokusengai.com) — ゼラチンと寒天の比較
- KYOTOVEGAN「ヴィーガンは白砂糖だめなんですか?」(kyotovegan.jp) — 白砂糖の骨炭フィルターについて
- ブイクック「和菓子の簡単レシピ10選!ヴィーガンでヘルシーに」(vcook.jp) — ヴィーガン和菓子レシピの参考


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