最終更新: 2026-04-11
「上新粉を買ってみたけれど、団子が固くなってしまった」「白玉粉やだんご粉との違いがわからない」と悩んでいませんか。上新粉はうるち米を原料とした米粉で、歯切れがよくコシのある団子に仕上がるのが特徴です。ただし白玉粉とは扱い方がまったく異なるため、正しい手順を知らないと失敗しやすい素材でもあります。
この記事では、上新粉で団子を作るときの全体像を押さえたうえで、茹でる・蒸す・電子レンジの3つの加熱方法をステップごとに解説します。さらに、固くならないための5つのコツ、粉の違いと使い分け、そしてアレンジレシピまで網羅しているので、初めての方でも安心して挑戦できます。
上新粉で作る団子の全体像:始める前に知っておくこと
上新粉の団子作りは、粉を練る・成形する・加熱する・仕上げるの4工程で完成します。白玉粉の団子は水で練って茹でるだけですが、上新粉の場合は「熱湯で練る」ことが必須です。ここを間違えると、粉っぽくボソボソの団子になってしまいます。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 所要時間 | 約30〜45分(蒸す場合は約50分) |
| 費用 | 上新粉200gで約150〜250円(2026年4月時点) |
| 難易度 | 初心者でも挑戦しやすい |
| 必要なもの | 上新粉、熱湯、ボウル、鍋(または蒸し器・電子レンジ) |
| できあがり量 | 上新粉200gで約15〜20個分 |
材料(上新粉200g分)
| 材料 | 分量 | 備考 |
|---|---|---|
| 上新粉 | 200g | メーカーにより吸水率が異なる |
| 熱湯 | 160〜180ml | 沸騰直後のものを使用 |
| 砂糖 | 大さじ1〜2(お好みで) | 加えると冷めても固くなりにくい |
砂糖を加えるのは和菓子店でもよく使われるテクニックです。砂糖の保水力で団子が固くなるのを防ぎ、翌日でもやわらかさを保てます。
上新粉で団子を作る手順【3つの加熱方法を比較】
加熱方法によって食感や手軽さが異なります。まずはそれぞれの特徴を比較してみましょう。
| 加熱方法 | 食感 | 手軽さ | 仕上がりの均一さ | おすすめシーン |
|---|---|---|---|---|
| 茹でる | もちもち、やややわらかめ | 簡単 | ふつう | 初心者・少量作りたいとき |
| 蒸す | しっかりコシがある | やや手間がかかる | 均一に仕上がる | 本格的に作りたいとき |
| 電子レンジ | もちもち、ややムラあり | 最も簡単 | ムラが出やすい | 時短で作りたいとき |
方法1:茹でて作る(初心者向け)
最も一般的な方法です。鍋とボウルがあればすぐに始められます。
Step 1:粉に熱湯を加えて練る
ボウルに上新粉200gを入れ、沸騰直後の熱湯160mlを一気に注ぎます。最初はしゃもじや箸で手早くかき混ぜてください。粉全体にまんべんなく湯が行き渡ったら、少し冷めるのを待ってから手でこねます。耳たぶくらいのやわらかさが目安です。
生地がパサつく場合は、熱湯を大さじ1ずつ追加してください。逆にベタつくときは上新粉を少量足します。
Step 2:成形する
生地を棒状に伸ばし、15〜20等分に切り分けます。手のひらに少量の水をつけながら、一つずつ丸めてください。大きさを揃えると加熱ムラを防げます。直径3cm程度が標準的なサイズです。
Step 3:茹でる
鍋にたっぷりの湯を沸かし、丸めた団子を入れます。最初は底に沈みますが、2〜3分で浮いてきます。浮いてからさらに2分ほど茹でてください。合計で4〜5分が目安です。
Step 4:冷水にとる
茹であがった団子をすくい上げ、冷水にとります。この工程で表面がキュッと引き締まり、もちもち感が増します。粗熱が取れたらザルにあげて水気を切りましょう。
方法2:蒸して作る(本格派向け)
和菓子店や製菓学校で教わる、最も本格的な方法です。蒸し器を使うことで生地全体に均一に火が入り、コシの強い団子に仕上がります。
Step 1:粉に熱湯を加えて練る(茹でる方法と同じ)
Step 2:生地をちぎって蒸す
練った生地を一口大にちぎり、蒸し器にぬれ布巾を敷いた上に並べます。強火で20〜25分蒸してください。生地が半透明になり、指で押して弾力があれば蒸し上がりです。
Step 3:つく(こねる)
蒸し上がった生地をボウルに移し、すりこぎや手でしっかりとつきます。この「つく」工程が蒸し方式の最大のポイントです。つくことで生地のコシと粘りが一段と増し、なめらかな食感になります。
Step 4:成形する
つき上がった生地を適量ちぎり、手に水をつけながら丸めて完成です。
方法3:電子レンジで作る(時短向け)
蒸し器も鍋も使わず、電子レンジだけで作れる方法です。忙しいときや少量だけ作りたいときに向いています。
Step 1:粉に熱湯を加えて練る(茹でる方法と同じ)
Step 2:ラップをかけて加熱する
練った生地を耐熱ボウルに入れ、ふんわりとラップをかけます。600Wで2分加熱し、一度取り出してしゃもじで全体を混ぜます。再度ラップをかけて1〜2分追加加熱します。生地に透明感が出ればOKです。
Step 3:こねて成形する
加熱した生地をしゃもじや手でしっかりこね、粘りを出します。あとは手に水をつけながら丸めれば完成です。
電子レンジの場合、機種によってワット数や加熱時間が異なるため、様子を見ながら少しずつ加熱するのがポイントです。
固くならない上新粉団子の5つのコツ
上新粉団子で最も多い失敗は「固くなる」ことです。以下の5つのコツを意識すれば、やわらかくもちもちの団子に仕上がります。
| よくある失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 生地がボソボソになる | 水やぬるま湯で練っている | 必ず沸騰直後の熱湯を使う |
| 団子が固くなる | 砂糖を入れていない | 砂糖を大さじ1〜2加える |
| 中心が粉っぽい | 加熱時間が短い | 浮いてから2分以上茹でる |
| 表面がベタつく | 冷水にとっていない | 茹でた後すぐ冷水で引き締める |
| 翌日カチカチになる | 保存方法が悪い | ラップで包み冷凍保存する |
1つめは「熱湯を使う」ことです。上新粉に含まれるでんぷん(アミロース)は、熱湯でないと十分に糊化しません。水やぬるま湯では粉の粒子がバラバラのまま残り、ボソボソの食感になります。
2つめは「砂糖を加える」ことです。砂糖にはでんぷんの老化(再結晶化)を遅らせる働きがあります。大さじ1〜2を生地に混ぜるだけで、冷めても固くなりにくい団子になります。
3つめは「しっかり加熱する」ことです。茹でる場合は浮いてからさらに2分、蒸す場合は20分以上、レンジの場合は合計3〜4分を目安にしてください。
4つめは「よくこねる」ことです。こねが不十分だと生地に粘りが出ず、ぽろぽろ崩れる団子になります。表面がなめらかになるまでしっかりこねましょう。
5つめは「保存方法に気をつける」ことです。上新粉の団子は時間が経つと固くなりやすいため、当日中に食べない分はラップで個別に包んで冷凍保存するのがおすすめです。食べるときは電子レンジで30秒ほど温めると、作りたてのようなもちもち食感が戻ります。
上新粉・白玉粉・だんご粉の違いと使い分け
「団子を作るなら、どの粉を選べばいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。ここでは代表的な3つの米粉の違いを整理します。
| 項目 | 上新粉 | 白玉粉 | だんご粉 |
|---|---|---|---|
| 原料 | うるち米 | もち米 | うるち米+もち米 |
| 製法 | 水洗い→乾燥→製粉 | 水挽き→脱水→乾燥 | うるち米ともち米をブレンドして製粉 |
| 食感 | 歯切れがよくコシがある | つるんとなめらか、やわらかい | 上新粉のコシ+もち粉の粘り |
| 練り方 | 熱湯で練る | 水で練る | 水または湯で練る |
| 代表的な和菓子 | 柏餅、草餅、串団子 | 白玉団子、大福 | みたらし団子、月見団子 |
| 扱いやすさ | やや慣れが必要 | 初心者でも簡単 | 初心者でも作りやすい |
上新粉は歯切れのよい食感が特徴で、串団子や草餅のようにしっかりした噛みごたえを出したいときに適しています。白玉粉はやわらかくつるんとした食感が持ち味で、フルーツ白玉やぜんざいの白玉に向いています。だんご粉は両方の性質を併せ持つため、扱いやすさと食感のバランスがよく、初心者の団子作りにもおすすめです。
上新粉ならではのコシのある食感は、みたらしのタレやあんことの相性が抜群です。タレの甘みに負けない、しっかりした食べ応えが楽しめます。
上新粉団子のアレンジレシピ3選
基本の団子が作れるようになったら、アレンジも楽しんでみましょう。ここでは定番から変わり種まで3つのアレンジをご紹介します。
アレンジ1:みたらし団子
上新粉団子と最も相性がよい定番のアレンジです。タレは醤油大さじ2、みりん大さじ2、砂糖大さじ3、水100ml、片栗粉大さじ1を混ぜ合わせ、弱火でとろみがつくまで加熱します。串に3〜4個刺した団子を軽く焼き色がつくまでフライパンで焼き、タレをかけて完成です。
アレンジ2:草団子(よもぎ団子)
春の季節にぴったりのアレンジです。茹でたよもぎ(または市販のよもぎペースト30g)を、熱湯で練る段階で生地に混ぜ込みます。よもぎの香りが広がる、風味豊かな団子に仕上がります。こしあんを添えるのが定番の食べ方です。
アレンジ3:ずんだ餡の団子
枝豆をすりつぶして砂糖と塩少々を混ぜた「ずんだ餡」を、上新粉団子にのせるアレンジです。茹でた枝豆200gの薄皮を剥き、すり鉢やフードプロセッサーでペースト状にします。砂糖大さじ3と塩ひとつまみを加えて混ぜれば、鮮やかな緑色のずんだ餡が完成します。
実際に作ってみると…(和菓子職人の現場から)
和菓子の現場では、上新粉の団子は「蒸してつく」方法が基本とされています。茹でるよりも蒸したほうが水分量のコントロールがしやすく、仕上がりが安定するためです。
製菓学校の実習でも、上新粉を使う和菓子(柏餅や草餅など)はほぼすべて蒸し器で加熱します。現場の職人によると、「上新粉は水分を吸いすぎるとベタつくし、足りないとボソボソになる。蒸す方法なら、水蒸気でじわじわと加熱するので失敗しにくい」とのことです。
家庭で作る場合は茹でる方法やレンジでも十分においしく仕上がりますが、「もっと本格的に挑戦したい」という方はぜひ蒸し器を使ってみてください。練り切りの作り方でも蒸し器を使った生地作りを紹介していますので、蒸し器に慣れるきっかけにもなります。
和菓子職人を目指す方にとって、上新粉の扱いは基礎中の基礎です。和菓子職人になるための道筋についても解説していますので、キャリアに興味がある方はあわせてご覧ください。
よくある質問
Q1: 上新粉がないときは何で代用できますか?
だんご粉が最も近い代用品です。だんご粉はうるち米ともち米のブレンドなので、上新粉よりもやや粘りのある仕上がりになりますが、水で練って茹でるだけで作れるため扱いやすいです。白玉粉でも団子は作れますが、食感がやわらかくなるため、みたらし団子のようなコシのある団子には向きません。
Q2: 上新粉団子を作り置きしたいのですが、保存方法は?
当日中に食べない分は、1個ずつラップで包んでからジッパー付き保存袋に入れて冷凍してください。冷凍で約1か月保存できます。食べるときは電子レンジ600Wで20〜30秒温めるか、沸騰した湯で1〜2分茹で直すと、もちもちの食感が戻ります。冷蔵保存は固くなりやすいのでおすすめしません。
Q3: 上新粉団子が固くなってしまいました。復活させる方法は?
電子レンジで10〜20秒ずつ加熱すると、ある程度やわらかさが戻ります。加熱しすぎると逆にベタつくので、少しずつ様子を見てください。また、フライパンに油を薄く引いて焼き団子にするのも、固くなった団子をおいしく食べる方法です。
Q4: 上新粉と米粉は同じものですか?
上新粉は米粉の一種ですが、同じものではありません。「米粉」はうるち米を非常に細かく粉砕した製品で、パンやケーキなどの洋菓子にも使えます。一方「上新粉」はうるち米をやや粗めに挽いたもので、主に和菓子(団子、柏餅、草餅など)に使われます。粒子の細かさが異なるため、仕上がりの食感も変わります。
Q5: 上新粉で作った団子に串を刺すタイミングはいつですか?
団子を茹でて(または蒸して)冷水で冷やした後に串を刺します。加熱前に串を刺すと、茹でている間に団子が串から外れてしまうことがあります。竹串を水で濡らしてから刺すと、団子が滑りにくくなります。みたらし団子にする場合は、串に刺した後にフライパンで軽く焼き目をつけると香ばしさが加わります。
Q6: 上新粉の団子はお月見団子にも使えますか?
使えます。[月見団子の作り方](https://wagashi-do.jp/seasonal-wagashi/tsukimi-dango-tsukurikata/)では上新粉を使ったレシピを紹介しています。お月見団子は丸い形に仕上げて積み上げるため、コシのある上新粉が形崩れしにくく適しています。十五夜には15個を三段に積み上げるのが伝統的な飾り方です。
Q7: 子どもと一緒に作る場合のポイントは?
熱湯を使う工程は大人が行い、「こねる」「丸める」工程をお子さんに担当してもらうと安全に楽しめます。粉に食用色素やかぼちゃパウダー、紫芋パウダーを混ぜると、カラフルな団子が作れて子どもも喜びます。
関連記事: 和菓子のあんこ 種類完全ガイド|原材料・製法・糖度で分かる7つの餡
関連記事: 和菓子の道具おすすめ一覧|初心者が揃えるべき必須アイテム
まとめ:上新粉団子のポイント
上新粉で作る団子の要点を整理します。
- 上新粉はうるち米が原料で、歯切れのよいコシのある団子に仕上がる
- 練るときは必ず沸騰直後の熱湯を使う(水やぬるま湯は失敗の原因)
- 砂糖を大さじ1〜2加えると冷めても固くなりにくい
- 加熱方法は「茹でる」「蒸す」「レンジ」の3通り。初心者は茹でる方法から始めるのがおすすめ
- 本格的に作りたい方は「蒸してつく」方法に挑戦すると、和菓子店の味に近づく
- 保存は冷凍がベスト。ラップで包んで約1か月保存可能
まずは基本の茹でる方法で1回作ってみて、慣れてきたら蒸す方法やアレンジレシピに挑戦してみてください。団子が作れるようになると、大福やわらび餅など他の和菓子にも応用が効きます。和菓子作りの基本を身につけて、季節ごとのお菓子を楽しみましょう。
和菓子の専門用語が気になった方は、和菓子用語集もあわせてご活用ください。
参考情報
- 農林水産省「米粉の利用」(https://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/soukatu/okome_summary/08/rice_flour_charac_teristic_04.html)— 米粉の種類・アミロース含量に関する公的情報
- 農畜産業振興機構「でん粉原料作物の特性について」(https://www.alic.go.jp/joho-d/joho07_000060.html)— でんぷんの糊化・アミロースに関する解説
- 株式会社パールエース「でんぷんの老化を防ぐ砂糖の力」(https://www.pearlace.co.jp/know-and-fun/tips/post-77.html)— 砂糖によるでんぷん老化防止メカニズム
- 富澤商店「白玉粉・上新粉・もち粉・だんご粉の違いとは」(https://tomiz.com/column/rice_flour_for_wagashi/)— 各種米粉の違いと使い分け
- All About「月見団子の並べ方とは?」(https://allabout.co.jp/gm/gc/398217/)— 月見団子の数・飾り方の伝統


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