岐阜の和菓子おすすめ10選|栗きんとん発祥の地から鮎菓子まで4エリア完全ガイド【2026年版】

岐阜の和菓子おすすめ10選|栗きんとん発祥の地から鮎菓子まで4エリア完全ガイド【2026年版】 和菓子の種類

最終更新: 2026-07-16

「栗きんとんは岐阜の名物」とご存じの方は多いでしょう。しかし岐阜県の和菓子文化を一言で語ろうとすると、すぐに行き詰まります。飛騨山脈と中央アルプスに囲まれた山岳県・岐阜は、エリアごとに気候・交通・文化が異なり、その土地が育てた銘菓も驚くほど多様です。

経済産業省・総務省の2020年経済センサス‐活動調査によれば、岐阜県の和生菓子の年間出荷金額は約69億円(6,914百万円)・44事業所にのぼります(従業者4人以上の事業所対象、出典: e-Stat 統計表ID: 0004003981、2020年)。同じ中部圏の愛知県が263億円・51事業所、長野県が140億円・54事業所であるのと比べると規模は小さいものの、44の地場工房がそれぞれ独自の銘菓を守り続けているのが岐阜の特徴です。

「岐阜に行くけれど、どの地域でどんな和菓子を買えばいいかわからない」「中津川の栗きんとんを正しく選ぶ方法を知りたい」——そんな方のために、和菓子の専門メディアとして岐阜全域の和菓子を4エリアに整理し、おすすめ10選を職人目線で厳選しました。まずエリアの文化背景を解説し、各地の老舗詳細ガイド、手土産・お取り寄せの選び方、よくある質問まで網羅してお伝えします。

岐阜和菓子を理解する「4エリア文化マップ」

2026 07 16 gifu wagashi osusume h2 00

岐阜県の和菓子文化は、大きく4つのエリアに分けて考えると整理しやすくなります。

エリア 地域 代表銘菓 文化的背景
東濃 中津川市・恵那市 栗きんとん 中山道宿場町・栗の名産地
中濃 岐阜市 鮎菓子(登り鮎) 長良川鵜飼・岐阜城下町
西濃 大垣市 水まんじゅう・酒饅頭 「水の都」大垣の名水文化
飛騨 高山市・飛騨市 猫子まんじゅう・栗よせ 飛騨の山岳文化・古い町並み

この4エリアは、単なる地理的区分ではありません。東濃は中山道の宿場町文化、中濃は長良川と岐阜城の城下町文化、西濃は水の豊かさ、飛騨は山岳の厳しさと温かみ——それぞれ異なる風土が、まったく異なる和菓子を生み出しました。

岐阜の菓子産業を示す統計データ

岐阜県の和生菓子産業の規模を隣接県と比較すると、岐阜の独自性がよくわかります。

都道府県 出荷金額(百万円) 事業所数 1事業所あたり平均(百万円)
愛知県 26,331 51 516
静岡県 15,902 54 295
長野県 14,096 54 261
岐阜県 6,914 44 157

(出典: 経済産業省・総務省「2020年経済センサス‐活動調査」e-Stat 統計表ID: 0004003981、従業者4人以上の事業所対象)

愛知の約4分の1という数字は、岐阜が大量生産型の菓子産業ではなく、地域密着型の職人工房の集積地であることを示しています。1事業所あたりの平均出荷額が157百万円と小規模なことも、この「地場工房文化」の証拠です。和菓子産業の全体データは和菓子道の業界データまとめページでも詳しくご覧いただけます。

東濃エリア(中津川・恵那)――日本一の栗きんとん発祥地

岐阜の和菓子を語るとき、最初に挙がるのは「栗きんとん」でしょう。農林水産省が認定する「うちの郷土料理」(岐阜県代表料理、農林水産省 Webサイト)にも選ばれたこの銘菓は、中津川市・恵那市を中心とする東濃地区が発祥の地とされています。

中津川駅前ロータリーには、2006年(平成18年)に中津川菓子組合・中津川市観光協会・中津川商工会議所が建立した「栗きんとん発祥の地」の石碑があります。江戸時代中期、中山道の宿場町・中津川宿で旅人に提供されたのが始まりとされており、良質な栗の産地に近い地理的条件と、旅人をもてなす宿場文化の両方が重なって生まれた和菓子です。

岐阜の栗きんとんは、正月の「栗きんとん(栗金団)」とは別物です。栗を蒸して裏ごしし、砂糖だけを加えて練り上げ、茶巾で絞って形を整えた、栗そのものの風味を活かしたシンプルな生菓子です。旬は栗の収穫期である9月下旬から11月下旬の2か月間のみ。この希少性が価値をさらに高めています。

店名 創業年 特徴 所在地
すや 本店 元禄年間(1688〜1704年) もともとお酢屋。家庭の栗きんとんを商品化した元祖格の一軒 中津川市
御菓子処 川上屋 1864年(元治元年) 初代・原四六が中山道宿場町で創業。国産栗に徹底的にこだわる 中津川市
恵那川上屋 1964年(昭和39年) 川上屋の工場長を務めた鎌田満が独立創業。「恵那栗」ブランド化を推進 恵那市ほか
南陽軒 創業100年超 中津川市の老舗。栗きんとんほか栗菓子全般 中津川市

川上屋の栗きんとん――160年以上受け継がれる技

川上屋の栗きんとんは、収穫した翌日に加工するという鮮度へのこだわりが最大の特徴です。蒸した栗の実を取り出し、少し粒感を残しながら砂糖を加えて丹念に炊き上げ、そのまま茶巾で絞る。シンプルな工程だからこそ、素材の質と職人の加減が直接味に出ます。自然な淡黄色と豊かな香りが、160年以上変わらない同店の証明です。

栗きんとんの基本的な作り方と家庭での楽しみ方については、栗きんとんのレシピ記事で詳しく解説しています。旬の時期に手土産として購入する際は、賞味期限が3日前後と短い(要冷蔵)ことを念頭に置いて計画しましょう。

恵那川上屋の「恵那栗」ブランド戦略

恵那川上屋は、1994年(平成6年)以降に農家との栽培契約と自社農地での自社栽培を組み合わせた「恵那栗」ブランドを確立しました。廃業した農家の土地を引き継ぐ形で栽培面積を拡大し続けており、産地から菓子まで一貫して管理するサプライチェーンが特徴です。栗きんとん以外にも、栗を使ったモンブランやパフェ、スイーツも手がけており、和洋問わず栗の魅力を発信しています。

中濃エリア(岐阜市)――長良川鵜飼と「登り鮎」の文化

岐阜市を代表する和菓子は「鮎菓子」です。長良川を遡上する鮎の姿をかたどった和菓子で、もっちりとした求肥をふんわりしたカステラ生地で包んだ、見た目も上品な一品です。長良川の鵜飼(ユネスコ無形文化遺産)と、天下人・織田信長が岐阜城を拠点としたという城下町の文化が複合的に重なって生まれた岐阜市ならではの銘菓です。

玉井屋本舗「登り鮎」――1908年創業・鮎菓子の発祥店

岐阜市を代表する菓子店・玉井屋本舗は、1908年(明治41年)に創業しました。「登り鮎」は初代・玉井屋経太郎が考案した商品で、川を力強く遡上する鮎の姿を求肥とカステラ生地で表現したものです。岐阜の名物として広めたいという初代の思いが、120年以上経った現在も受け継がれています。

項目 詳細
店名 御菓子司 玉井屋本舗
創業 1908年(明治41年)
所在地 岐阜市(本店・ASTY岐阜店ほか)
代表銘菓 登り鮎(鮎菓子)
特徴 求肥をカステラ生地で包んだ鮎形の上品な和菓子。長良川鵜飼の里・岐阜市を代表する銘菓
購入場所 岐阜市本店、JR岐阜駅ビルATSY岐阜、オンラインショップ

鮎菓子は日持ちもよく(製造から7〜10日程度)、個包装されているため手土産に非常に向いています。岐阜市観光の定番土産として、岐阜城・長良川温泉を訪れる際にはぜひ押さえておきたい一品です。

岐阜市の城下町と和菓子文化

岐阜市は、1567年に織田信長が入城したことで天下統一の拠点となり、「岐阜」という地名も信長によって命名されました。城下町として繁栄した歴史が、茶の湯文化と贈答文化を育て、現在の老舗和菓子店の礎となっています。

長良川の鮎は縄文時代から食べられてきたという記録があり、岐阜では鮎は「清流の恵み」を象徴する食材です。毎年5月11日に開幕し10月15日まで続く長良川の鵜飼シーズンには、観光客向けに鮎菓子の需要が一段と高まります。

西濃エリア(大垣)――水の都が育む水まんじゅうと酒饅頭

大垣市は「水の都」として知られ、市内には豊富な地下水(軟水)が湧き出ています。この水質が、大垣ならではの和菓子を生みました。

水まんじゅう――透き通る涼菓の代名詞

大垣の水まんじゅうは、良質な地下水を使った葛にわらび粉を混ぜた生地を陶器のお猪口に流し込んで固めたもので、プルンとした食感と透き通るような見た目が特徴です。こしあんを包んだタイプが定番で、夏の暑い時期に川の冷水に浸して提供するスタイルが有名です。大垣市内の各老舗が独自のレシピで作っており、店によって微妙に食感や甘さが異なります。

金蝶園総本家――1798年創業・大垣を代表する230年の老舗

項目 詳細
店名 金蝶園総本家
創業 1798年(寛政10年)
所在地 岐阜県大垣市
代表銘菓 酒饅頭・水まんじゅう
歴史 8代目。初代が大垣市西で駄菓子屋を創業後、2代目が京都で修行し酒饅頭を習得

金蝶園総本家は1798年(寛政10年)創業で、現社長で8代目を数える西濃地区最大の老舗の一つです。初代が大垣市西で小さな駄菓子屋を始め、2代目が京都の和菓子店で修行して酒饅頭の技を持ち帰ったことが同店の飛躍のきっかけとなりました。230年以上の歴史が証明するように、大垣の名水と伝統の技を組み合わせた菓子作りが今も続いています。

大垣は関ヶ原の戦い(1600年)の舞台でもあり、歴史的な結節点として多くの旅人が行き交いました。その往来が菓子文化の発展を後押しし、現在まで続く老舗文化につながっています。

飛騨エリア(高山・古川)――山岳の里が育てた素朴な銘菓

飛騨地方は岐阜県北部の山岳地帯で、江戸時代は幕府の直轄地(天領)として独自の文化を育みました。飛騨高山の「古い町並み」(三町伝統的建造物群保存地区)は現在も江戸時代の風情を残し、毎年多くの観光客が訪れます。

稲豊園(とうほうえん)――1901年創業・猫子まんじゅうの飛騨の老舗

稲豊園は1901年(明治34年)に初代・中田徹によって飛騨高山に創業されました。「素材をよく吟味し、納得のいくもののみ使用し、その特性を十二分に活かすために、絶対に手抜きをしないこと」という創業の理念が、三代にわたって受け継がれています。

項目 詳細
店名 飛騨高山の和菓子処 稲豊園(とうほうえん)
創業 1901年(明治34年)
所在地 岐阜県高山市国分寺通り
代表銘菓 猫子まんじゅう・栗よせ
猫子まんじゅう とら・ロシアンブルー・黒・白・三毛の5種類の猫の顔をかたどった饅頭
秋の銘菓 栗よせ(飛騨産の厳選栗を贅沢に使った季節限定品)

猫子まんじゅうはメディアにも多数取り上げられ、飛騨高山を訪れる観光客に人気の手土産です。5種類の猫の表情が愛らしく、和菓子のお土産として幅広い世代に喜ばれます。

秋になると登場する「栗よせ」は、飛騨産の厳選栗を贅沢に使った季節限定の銘菓です。栗の濃厚な風味をそのまま生かした仕上がりで、東濃の栗きんとんとはまた異なる飛騨の栗菓子文化を体験できます。

井之廣製菓舗(いのひろせいかほ)――味噌煎餅の飛騨古川の老舗

飛騨市古川町の老舗・井之廣製菓舗は1908年(明治41年)創業で、3年熟成の自家製味噌を使った「味噌煎餅」で知られます。香ばしくも優しい甘みが特徴の煎餅は、飛騨の保存食文化と菓子文化が交差した産物で、旅のお土産に日持ちしやすいことも魅力です。

飛騨の和菓子文化の独自性は「山と雪の保存食文化との融合」にあります。厳しい冬を越すために発達した発酵・保存の知恵が、菓子の材料選びや製法にも反映されています。

関連記事: 宇都宮の和菓子おすすめ8選|黄ぶな伝説の縁起菓子から創業140年の老舗まで職人目線で厳選【2026年版】

関連記事: おはぎとぼたもちの違いとは?由来・歴史・職人技を徹底解説

関連記事: 大福の種類一覧|定番から変わり種まで全30種を徹底解説

関連記事: 求肥(ぎゅうひ)とは?作り方3種を徹底比較

関連記事: 干菓子とは?種類・特徴・歴史を徹底解説

関連記事: 徳島の和菓子おすすめ完全ガイド|阿波和三盆×なると金時×鳴門わかめ 三重の素材が育む銘菓【職人目線】

関連記事: 和菓子とは?種類・歴史・魅力を職人目線で徹底解説【2026年版】

関連記事: 和菓子の魅力とは?五感で味わう7つの理由と職人が伝えたい奥深さ

関連記事: 姫路の和菓子おすすめ完全ガイド|世界遺産・白鷺城の城下が育んだ播磨銘菓【職人目線2026年版】

関連記事: 水無月とは?6月30日に食べる和菓子の由来・種類・作り方を徹底解説

関連記事: 和菓子デザインの考え方|職人が実践する意匠設計の基本と発想法

関連記事: 桃山とは?黄金色の焼き和菓子の特徴・歴史・作り方を徹底解説

関連記事: すあまとは?特徴・歴史・作り方を職人目線で徹底解説【2026年版】

岐阜の和菓子おすすめ10選 総まとめ

4エリアのガイドを踏まえて、手土産・お取り寄せ・現地購入のそれぞれの場面に合わせたおすすめ10選をまとめます。

# 銘菓・商品名 店名 エリア 創業年 向いている場面
1 栗きんとん すや 本店 東濃(中津川) 元禄年間(1688〜1704年) 秋の高級手土産・お取り寄せ
2 栗きんとん 御菓子処 川上屋 東濃(中津川) 1864年(元治元年) 秋の高級手土産・現地購入
3 栗きんとん・栗菓子 恵那川上屋 東濃(恵那) 1964年(昭和39年) 通年・お取り寄せ対応充実
4 登り鮎(鮎菓子) 玉井屋本舗 中濃(岐阜市) 1908年(明治41年) 通年・手土産・岐阜駅でも購入可
5 水まんじゅう 金蝶園総本家ほか各店 西濃(大垣) 1798年(寛政10年)〜 夏の現地限定・大垣観光土産
6 酒饅頭 金蝶園総本家 西濃(大垣) 1798年(寛政10年) 通年・手土産
7 猫子まんじゅう 稲豊園(とうほうえん) 飛騨(高山) 1901年(明治34年) 通年・高山観光土産・プレゼント
8 栗よせ 稲豊園(とうほうえん) 飛騨(高山) 1901年(明治34年) 秋限定・高山観光土産
9 味噌煎餅 井之廣製菓舗 飛騨(古川) 1908年(明治41年) 通年・日持ち重視の手土産
10 鮎菓子(各種) 緑水庵ほか各店 中濃(岐阜市) 各老舗 通年・長良川観光・岐阜市土産

手土産・お取り寄せの選び方

賞味期限で選ぶ場合

栗きんとん(生菓子)は賞味期限3日前後・要冷蔵のため、必ず旅行の帰りに購入するか、お取り寄せの場合はお届け日を受け取り人の在宅日に合わせましょう。味噌煎餅・猫子まんじゅう・鮎菓子は常温保存で1〜2週間程度日持ちするため、遠方へのお土産や職場へのばらまき用に向いています。

季節で選ぶ場合

秋(9〜11月)は栗きんとん・栗よせが旬のベストシーズンです。夏(6〜8月)は大垣の水まんじゅうが清涼感抜群。通年で楽しむなら、鮎菓子(岐阜市)や酒饅頭(大垣)、猫子まんじゅう(高山)が確実です。

エリアを跨ぐ岐阜旅行でのモデルコース

中部縦断コース(名古屋→中津川→岐阜市→大垣)では、中津川で栗菓子、岐阜市で鮎菓子、大垣で水まんじゅう・酒饅頭という組み合わせが4エリアの和菓子文化をまんべんなく体験できて理想的です。

和菓子の歴史的な背景については和菓子の歴史と起源を解説した記事もあわせてご覧ください。石川・金沢の和菓子文化との比較には金沢の和菓子おすすめガイドが参考になります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 岐阜の和菓子で一番有名なものは何ですか?

岐阜の和菓子で全国的な知名度が高いのは「栗きんとん」です。栗を蒸して裏ごしし、砂糖だけで練り上げて茶巾で絞った生菓子で、農林水産省の「うちの郷土料理」(岐阜県代表)にも選ばれています。発祥地の中津川市には「栗きんとん発祥の地」の石碑(2006年建立)があります。

Q2. 栗きんとんは東京や大阪から通販で買えますか?

はい、川上屋・恵那川上屋はオンラインショップで全国配送しています。ただし栗きんとんは生菓子のため、旬の時期(9〜11月)のみの販売かつ賞味期限3日前後・要冷蔵です。注文から発送までのリードタイムを事前に確認し、到着日を在宅日に合わせて指定することをおすすめします。

Q3. 鮎菓子はどこで買えますか?

岐阜市の玉井屋本舗が代表的な販売店です。岐阜市内の本店のほか、JR岐阜駅ビル・ASTY岐阜にも店舗があり、岐阜を経由する際に立ち寄りやすい立地です。オンラインショップでの取り扱いもあります。

Q4. 飛騨高山の和菓子はどこで買えますか?

飛騨高山では稲豊園(国分寺通り)が代表的な和菓子店です。古い町並み(三町)の界隈にも複数の和菓子・甘味店があり、散策しながら立ち寄るのが高山観光の定番コースです。猫子まんじゅうはイベント会場や百貨店の催事にも出店することがあります。

Q5. 大垣の水まんじゅうはいつが食べごろですか?

水まんじゅうは夏の涼菓として有名で、特に6〜8月が最も盛んな販売時期です。名物の食べ方は、大垣の清流に浸した樽やプールで冷やした水まんじゅうをその場で食べるスタイルですが、近年は店舗内での飲食も充実しています。大垣市内のいくつかの老舗が夏季のみ製造・販売する限定品もあるため、訪問前に各店のSNSや公式サイトで確認することをおすすめします。

Q6. 岐阜の和菓子を正月の手土産に持参したい場合、何を選べばよいですか?

正月(1〜3月)は栗きんとんの旬が終わっているため、日持ちのよい銘菓を選ぶのがおすすめです。鮎菓子(玉井屋本舗「登り鮎」)、酒饅頭(金蝶園総本家)、猫子まんじゅう(稲豊園)はいずれも通年購入できます。正月らしい縁起物とするなら、「登り鮎」は鮎が激流を遡上する姿から「出世」「目標達成」の縁起が込められており、ビジネスシーンの手土産にも適しています。

Q7. 岐阜と金沢の和菓子文化の違いを教えてください

金沢(石川県)は和生菓子の出荷額が約94億円(2020年経済センサス)と岐阜(約69億円)より大きく、加賀百万石の茶の湯文化を背景に「上生菓子」の技術が非常に高い水準で継承されています。一方、岐阜は山岳地と宿場町の文化から「食材を生かしたシンプルな菓子」が発達しており、栗きんとんのように素材そのものの美味しさを前面に出したスタイルが特徴です。どちらが優れているかではなく、文化の成り立ちの違いが菓子のスタイルの違いに直結しているのが面白いところです。

まとめ:岐阜は「4つの和菓子文化圏」を持つ多様な県

岐阜の和菓子は、一つのキーワードでは語り切れません。中津川の栗きんとんが代表格として知られながら、岐阜市には長良川文化に根ざした鮎菓子があり、大垣には名水が生んだ水まんじゅうと230年以上の歴史を持つ老舗があり、飛騨高山には山岳の里らしい素朴で温かみのある銘菓があります。

2020年の経済センサスでは和生菓子の出荷額6,914百万円・44事業所と、中部圏では大規模産業とは言えない規模ですが、44の地場工房がそれぞれのエリアの文化と素材を守りながら独自の菓子を作り続けているのが岐阜の真の強みです。岐阜を訪れる際は、ぜひ4つのエリアを意識しながら、それぞれの土地の和菓子を体験してみてください。

参考情報

  • 農林水産省「うちの郷土料理 栗きんとん(岐阜県)」(農林水産省 Webサイト、2026年7月確認)
  • 経済産業省・総務省「2020年経済センサス‐活動調査 製造業 品目別・都道府県別統計」e-Stat 統計表ID: 0004003981(2020年基準)
  • 中津川市観光協会「栗きんとん発祥の地・中津川の老舗ガイド」(中津川市観光協会 公式Webサイト、2026年7月確認)
  • 玉井屋本舗 公式Webサイト(tamaiyahonpo.com、2026年7月確認)
  • 金蝶園総本家 企業情報(中部電力「コリュウ」掲載記事、2026年7月確認)
  • 稲豊園 公式Webサイト「稲豊園の歴史」(tohoen.com、2026年7月確認)
  • 川上屋 公式Webサイト「川上屋の伝統と歴史」(kawakamiya.co.jp、2026年7月確認)
  • 恵那川上屋 Wikipedia(ja.wikipedia.org、2026年7月確認)



コメント

タイトルとURLをコピーしました