最終更新: 2026-06-18
6月16日の「和菓子の日」をきっかけに、横浜の和菓子に注目が集まっています。食べログには横浜市内だけで346件もの和菓子店が登録されており、その数は神奈川県内で群を抜いています。「横浜の和菓子で有名なお店はどこだろう」「手土産にぴったりの横浜らしい和菓子を探したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、明治時代から続く老舗から新世代の創作和菓子店まで、横浜の和菓子名店を職人目線で厳選して紹介します。まず横浜と和菓子の歴史的な関係を解説し、次にエリア別のおすすめ店舗、最後に手土産選びのコツと食べ歩きモデルコースをお伝えします。
横浜と和菓子の意外な関係|港町が育んだ独自の菓子文化
横浜は1859年の開港以来、西洋文化の窓口として発展してきた街です。洋菓子のイメージが強い横浜ですが、実はその裏側で和菓子文化も独自の進化を遂げてきました。
開港前の横浜は東海道沿いの宿場町として栄え、旅人をもてなす茶屋や菓子店が軒を連ねていました。特に鶴見や神奈川宿のあたりには、江戸時代から続く菓子文化の下地がありました。明治時代に入ると、居留地の外国人向けに洋菓子が広まる一方、日本人の生活に根ざした和菓子屋も数多く誕生しています。
横浜の和菓子文化には、3つの特徴があります。
| 特徴 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| 和洋折衷の柔軟さ | 洋菓子の技法や素材を取り入れた創作和菓子が多い | 香炉庵のフルーツ大福、黒糖どらやき |
| 港町ならではの贈答文化 | 船の出入りに伴う手土産需要が和菓子店を育てた | 横濱ハーバー、喜最中 |
| 職人の多様なルーツ | 全国各地から集まった職人が横浜で独自の味を確立 | 金米堂本店(明治25年創業)、御菓子司 清月(明治43年創業) |
こうした背景から、横浜には「伝統を守りつつ新しい挑戦を続ける」和菓子店が数多く存在しています。東京や京都の和菓子文化とはまた異なる、港町ならではの菓子文化がここにはあります。
【エリア別】横浜のおすすめ和菓子名店6選
横浜市内に点在する和菓子の名店を、エリア別に紹介します。まず全体の比較表をご覧ください。
| 店名 | エリア | 創業 | 看板商品 | 価格帯(税込) | 最寄り駅 |
|---|---|---|---|---|---|
| 金米堂本店 | 元町・中華街 | 明治25年(1892年) | 手作りあんこの和菓子 | 150円〜 | 石川町駅 徒歩1分 |
| 喜月堂本店 | 本牧 | 明治33年(1900年) | 喜最中 | 200円〜 | 山手駅 徒歩15分 |
| 御菓子司 清月 | 鶴見 | 明治43年(1910年) | よねまんじゅう | 150円〜 | 京急鶴見駅 徒歩5分 |
| もみぢ菓子司舗 | 桜木町・野毛 | 昭和21年(1946年) | 大銅鑼焼き | 250円〜 | 桜木町駅 徒歩3分 |
| 香炉庵 | 元町 | 平成年間 | 黒糖どらやき | 220円〜 | 元町・中華街駅 徒歩5分 |
| 盛光堂 | 二俣川 | — | 誕生餅・季節の和菓子 | 200円〜 | 二俣川駅 |
金米堂本店|明治25年創業、手作りあんこの老舗(元町・中華街エリア)
石川町駅から徒歩1分、元町・中華街エリアの入り口に位置する金米堂本店は、明治25年(1892年)創業の老舗です。現在は4代目が店を受け継ぎ、創業から130年以上にわたって豆の選別から餡炊きまでを全て手作業で行っているのが最大の特徴です。常時20種類以上の和菓子を取り揃えており、銅板で手焼きするどら焼きは特に人気の商品です。
職人の目から見て注目すべきは、同店の餡(あんこ)へのこだわりです。使用する小豆は厳選されたもので、豆から丁寧に炊き上げることで、素材本来の風味を最大限に引き出しています。機械に頼らず、職人の手と目で仕上げるこの姿勢は、和菓子作りの基本中の基本ともいえるものです。
元町・中華街の観光ついでに立ち寄れるアクセスの良さも魅力で、外国人観光客の来店も多いそうです。
喜月堂本店|神奈川県指定銘菓「喜最中」の名店(本牧エリア)
明治33年(1900年)に横浜・本牧で創業した喜月堂本店は、120年以上の歴史を持つ老舗です。明治43年に誕生した「喜最中」は昭和27年に神奈川県指定銘菓に認定され、横浜を代表する和菓子のひとつとなっています。
最中(もなか)は、パリッとした皮と餡のバランスが命です。喜月堂の「喜最中」は、香ばしい最中の皮にたっぷりの餡が詰められており、一口食べると小豆の豊かな風味が口いっぱいに広がります。100年以上変わらぬ製法で作り続けている点は、和菓子職人としても尊敬に値します。
本牧エリアは横浜の下町情緒が残る地域で、散策がてら訪れるのもおすすめです。
御菓子司 清月|東海道鶴見宿の銘菓を今に伝える(鶴見エリア)
京急鶴見駅近くに店を構える御菓子司 清月は、明治43年(1910年)創業の老舗和菓子店です。現在は4代目の店主が伝統の味を守り続けています。看板商品の「よねまんじゅう」は、かながわの名産100選にも選ばれた銘菓です。
「よねまんじゅう」は、かつて東海道の鶴見宿で旅人に親しまれていた名菓を現代に復活させたものです。饅頭(まんじゅう)の世界は奥深く、地域ごとに独自の発展を遂げてきました。清月のよねまんじゅうは、その土地の歴史と結びついた和菓子の典型例といえます。
鶴見は東海道五十三次の宿場町として栄えた歴史があり、その文脈の中で和菓子文化が育まれてきたことを感じられるのが清月の魅力です。4代にわたって受け継がれてきた技術は、和菓子職人を志す方にとっても学びの多い存在です。
もみぢ菓子司舗|横浜を代表する大銅鑼焼き(桜木町・野毛エリア)
JR桜木町駅から徒歩3分、横浜の下町として知られる野毛エリアに店を構えるもみぢ菓子司舗は、昭和21年(1946年)創業の老舗です。戦後間もない時期に創業し、横浜の庶民の味として80年近く愛され続けています。
看板商品の「大銅鑼焼き」は、初代が「横浜を代表するお菓子を作ろう」という志のもとに創作したもので、神奈川県指定銘菓に認定されています。横浜→港→船→銅鑼という連想から生まれたこの大きなどら焼きは、黒あんには兵庫県産の丹波大納言小豆、白あんには北海道産の大福豆と、国産素材にこだわっています。毎朝7時から店の裏で全て手作りしている点も、職人魂を感じさせます。近年は若い世代の間でも人気が高まっており、全国から注文が入るほどの評判です。
実際に野毛を訪れると、昔ながらの飲食街の雰囲気の中にこの和菓子店が自然に溶け込んでいます。観光地化されていない「地元の名店」を巡る楽しさが、ここにはあります。
香炉庵|伝統と革新を融合する創作和菓子(元町エリア)
横浜元町商店街に佇む香炉庵は、伝統の和菓子技法に現代の感性を掛け合わせた創作和菓子で知られる人気店です。看板商品の「黒糖どらやき」には、沖縄県産の上質な黒糖と、希少品種「しゅまり小豆」をじっくり炊き上げた餡が使われています。
ほかにも「花元町」「船もなか」「あんプリン」など、横浜の港町をモチーフにした遊び心あふれる商品が揃います。季節限定の「フルーツ大福」や「湘南ゴールドゼリー」は、神奈川県産の素材を活かしたこだわりの一品です。洋菓子の要素を取り入れながらも、餡や生地の基本を大切にしている点は、職人として高く評価できます。
新横浜のキュービックプラザやそごう横浜にも出店しており、横浜駅周辺でも購入できる利便性の高さもポイントです。和菓子の手土産選びに迷ったときの定番として覚えておくと便利です。
盛光堂|地域に根ざした手仕事の和菓子(二俣川エリア)
横浜市旭区の二俣川に店を構える盛光堂は、地域の生活に寄り添い続けている和菓子店です。誕生餅や慶弔菓子を中心に、人生の節目に欠かせない和菓子を提供しています。
大手チェーンが台頭する中、町の和菓子屋として地域のお祝い事や法要に欠かせない存在であり続けているのは、確かな技術と人柄あってこそです。横浜の和菓子文化は、こうした地域密着型のお店によっても支えられています。誕生餅や一升餅の注文は宅配にも対応しており、お祝いの場面で重宝されています。
横浜の和菓子を手土産にするなら|シーン別おすすめガイド
横浜の和菓子は手土産としても優秀です。シーンに合わせた選び方のポイントをまとめました。
| シーン | おすすめの和菓子 | おすすめの店 | 選ぶポイント |
|---|---|---|---|
| ビジネスの挨拶・取引先訪問 | 喜最中(詰め合わせ) | 喜月堂本店 | 神奈川県指定銘菓の格式で安心感がある |
| 友人・知人への気軽な手土産 | 黒糖どらやき | 香炉庵 | 見た目が華やかで話題性もある |
| 目上の方・改まった場面 | よねまんじゅう | 御菓子司 清月 | 歴史ある銘菓で格式と品格がある |
| 家族・親戚への帰省土産 | 大銅鑼焼き | もみぢ菓子司舗 | ボリューム満点で世代を問わず喜ばれる |
| お祝い事(出産・七五三) | 誕生餅・紅白饅頭 | 盛光堂 | 慶弔菓子の専門性が高い |
| 自分へのご褒美 | フルーツ大福・あんプリン | 香炉庵 | 季節限定品は特別感がある |
手土産を選ぶときは、「誰に」「どんな場面で」渡すかを最初に考えるのが基本です。横浜には格式のある老舗からカジュアルな創作和菓子店まで幅広い選択肢があるため、場面に合った一品が必ず見つかります。和菓子のお取り寄せサービスも充実しているので、横浜を離れた後でも購入可能です。
また、横浜高島屋やそごう横浜店の和菓子フロアには、香炉庵をはじめとする横浜の名店だけでなく、全国の有名和菓子店も出店しています。新幹線や電車の時間が限られているときは、百貨店でまとめて購入するのも賢い選択です。
横浜和菓子の食べ歩きモデルコース|半日で巡る名店めぐり
横浜の和菓子名店を効率よく巡れるモデルコースを紹介します。半日あれば十分に楽しめるプランです。
| 時間 | 行き先 | アクション | ポイント |
|---|---|---|---|
| 10:00 | JR桜木町駅 | もみぢ菓子司舗で大銅鑼焼きを購入 | 朝一番は品揃えが豊富 |
| 10:30 | 野毛〜馬車道を散策 | 横浜の歴史的建造物を楽しみながら徒歩移動 | 馬車道の洋館群も見どころ |
| 11:00 | 石川町エリア | 金米堂本店で手作り和菓子を購入 | 職人の手仕事を間近で見られることも |
| 11:30 | 元町商店街 | 香炉庵で季節の創作和菓子を堪能 | フルーツ大福は午前中に売り切れることも |
| 12:30 | 元町・中華街エリア | ランチ休憩(中華街や元町のカフェ) | 買った和菓子をカフェで味わうのもおすすめ |
| 14:00 | みなとみらい | 横浜高島屋で手土産用の和菓子をまとめ買い | 百貨店限定品もチェック |
このコースなら、桜木町から元町・中華街まで約4kmの距離を歩きながら、横浜の街並みと和菓子の両方を楽しめます。本牧の喜月堂本店や鶴見の御菓子司 清月を加える場合は、1日コースにするのがおすすめです。
なお、和菓子は生ものが多いため、夏場は保冷バッグを持参すると安心です。6月から9月にかけては特に気温が上がるため(横浜の6月平均気温は22.0℃、気象庁 平年値1991-2020年)、購入後は早めに冷蔵保存しましょう。
横浜の和菓子に関するよくある質問
Q1: 横浜で一番有名な和菓子は何ですか?
横浜を代表する和菓子として特に知名度が高いのは、喜月堂本店の「喜最中」ともみぢ菓子司舗の「大銅鑼焼き」です。どちらも神奈川県指定銘菓に認定されており、地元の方から観光客まで幅広く親しまれています。御菓子司 清月の「よねまんじゅう」も、かながわの名産100選に選ばれた銘菓です。
Q2: 横浜駅で買える和菓子のおすすめは?
横浜駅周辺で和菓子を購入するなら、そごう横浜店や横浜高島屋の和菓子フロアが便利です。香炉庵はキュービックプラザ新横浜やそごう横浜店にも出店しているため、駅近で購入できます。限られた時間で横浜らしい和菓子を選びたい方には、百貨店での購入がおすすめです。
Q3: 横浜の和菓子はお取り寄せできますか?
香炉庵では公式オンラインショップやデパートの通販サイトを通じてお取り寄せが可能です。喜月堂本店も一部商品の発送に対応しています。ただし、生菓子は日持ちの関係で発送できないものもあるため、事前に各店舗に確認するのがおすすめです。[和菓子のお取り寄せ](https://wagashi-do.jp/famous-shops/wagashi-otoriyose-ninki/)についてはこちらの記事でも詳しく紹介しています。
Q4: 横浜で和菓子作り体験ができる場所はありますか?
横浜市内では、季節のイベントやワークショップとして和菓子作り体験が不定期に開催されることがあります。香炉庵や横浜高島屋では、期間限定で上生菓子の手作り教室が行われることもあります。最新情報は各店舗の公式サイトやSNSをチェックしてみてください。本格的な和菓子体験を希望する方は、[京都の和菓子体験](https://wagashi-do.jp/famous-shops/kyoto-wagashi-taiken/)も検討してみるとよいでしょう。
Q5: 横浜と京都・東京の和菓子の違いは何ですか?
京都の和菓子は茶道文化と結びつき、季節の移ろいを繊細に表現する上生菓子に特徴があります。東京は江戸時代の町人文化を背景に、庶民が日常で楽しむ和菓子が発達しました。横浜は開港都市という独自の背景から、和洋折衷の柔軟な発想で新しい和菓子を生み出してきた点が特徴です。和菓子の基本を知ると、地域ごとの違いがより深く理解できます。
Q6: 横浜の和菓子屋で修行や就職はできますか?
横浜には老舗から新興店まで多くの和菓子店があり、職人の求人が出ることもあります。金米堂本店や清月のように代々受け継がれている店舗では、伝統的な徒弟制度のもとで技術を学べる可能性があります。和菓子職人としてのキャリアに興味がある方は、まず各店舗に直接問い合わせてみるのがおすすめです。
まとめ:横浜の和菓子で港町の職人技に触れよう
横浜の和菓子文化のポイントを整理します。
- 明治25年創業の金米堂本店をはじめ、100年以上の歴史を持つ老舗が今も現役で営業している
- 喜最中(喜月堂本店)と大銅鑼焼き(もみぢ菓子司舗)の2つの神奈川県指定銘菓は必食
- 香炉庵の創作和菓子に代表される「和洋折衷」の柔軟さが横浜ならではの魅力
- 手土産選びはシーンに合わせて老舗の格式か創作の華やかさかを使い分けるのが正解
- 桜木町から元町まで半日の食べ歩きコースで主要な名店を巡れる
横浜を訪れた際は、洋菓子だけでなく和菓子にも目を向けてみてください。港町の歴史と職人技が詰まった一品に、きっと新たな発見があるはずです。和菓子職人を目指す方にとっても、横浜の多様な和菓子文化は大いに刺激になるでしょう。まずは桜木町から元町への食べ歩きコースで、横浜和菓子の世界に触れてみてはいかがでしょうか。
参考情報
- 金米堂本店 公式サイト(https://kinpeido.com/)2026年6月確認
- 喜月堂本店 公式サイト(http://www.kigetsudou.co.jp/)2026年6月確認
- 御菓子司 清月 公式サイト(https://seigetu-yoneman.jp/)2026年6月確認
- 香炉庵 公式サイト(https://kouro-an.jp/)2026年6月確認
- 盛光堂 公式サイト(https://seikoudou.com/)2026年6月確認
- 全国和菓子協会「和菓子の日」(https://www.wagashi.or.jp/wagashinohi/)
- 気象庁 過去の気象データ(平年値: 1991-2020年平均)
- ヨコハマフードラバーズ「石川町で代々受け継がれる下町文化に触れる 金米堂本店」(https://yokohamafoodlovers.jp/kinpeido-honten/)

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