最終更新: 2026-07-31
「松山といえばみかんと道後温泉」——そのイメージの裏に、日本有数の和菓子産地があることを知る人は意外と少ない。
経済産業省「経済センサス-活動調査」(2020年、e-Stat 統計表ID: 0004003981)によれば、愛媛県の和生菓子出荷額は11,208百万円(約112億円)・31事業所。四国4県の中でダントツの首位であり、2位の徳島県(1,752百万円)の約6.4倍に相当する規模だ。そしてその産業の中心に位置するのが、県庁所在地・松山市(人口約49万人)である。
なぜ松山がこれほどの和菓子産地になったのか。その答えは正保4年(1647年)にまでさかのぼる。松山藩主・松平定行公が長崎でポルトガルの南蛮菓子に接し、柚子風味の餡を入れた「和製タルト」として松山に持ち帰った——この一点が、以後380年近くにわたって松山の菓子文化を育て続けた。
さらに江戸末期には俳人・正岡子規が、明治28年(1895年)には夏目漱石が松山で生活した。文豪と俳人が愛した城下町の甘み——それが今日の松山和菓子の底流にある。
この記事では、e-Stat統計データが示す愛媛の和菓子産業の実力から、松山の老舗・名店ガイド6選、銘菓比較テーブル、道後温泉と和菓子の楽しみ方、よくある疑問へのFAQまで、松山の和菓子を余すところなく紹介する。
愛媛・松山の和菓子産業——四国最大をデータで証明する

まず、統計データから愛媛県の和菓子産業の実力を確認しよう。
経済産業省「経済センサス-活動調査」(2020年、e-Stat統計表ID: 0004003981)によれば、四国4県の和生菓子出荷額は以下のとおりだ。
| 都道府県 | 和生菓子出荷額 | 事業所数 | 四国内シェア(概算) |
|---|---|---|---|
| 愛媛県 | 11,208百万円 | 31事業所 | 約71% |
| 徳島県 | 1,752百万円 | 14事業所 | 約11% |
| 香川県 | 1,452百万円 | 17事業所 | 約9% |
| 高知県 | 1,183百万円 | 14事業所 | 約8% |
| 四国計 | 約15,595百万円 | 76事業所 | — |
(出典: e-Stat 統計表ID: 0004003981、2020年経済センサス-活動調査)
愛媛県1県だけで四国全体の出荷額の約71%を占めるという、圧倒的な集中度だ。31事業所という数字も四国最大で、1事業所あたりの平均出荷額は約362百万円に達する。
この規模を都市単位で支えているのが松山市だ。愛媛県内の和菓子事業所のうち、一六本舗・六時屋・つぼや菓子舗など主要ブランドの本社・主力工場のほとんどが松山市に集積している。松山市は単なる観光都市ではなく、製造業としての和菓子産業においても四国の中枢を担う都市なのだ。
詳しい全国・都道府県別の和菓子産業統計については、和菓子業界データ総まとめでも確認できる。
松山和菓子の象徴「タルト」——正保4年から続く380年近い歴史

松山の和菓子を語るうえで最も重要なキーワードは、疑いなく「タルト」だ。西洋のタルト(サクサクの焼き菓子)とは全く異なる、ふわふわのカステラ生地に柚子風味のこしあんを巻き込んだロールケーキ状の和菓子——それが愛媛のタルトである。
タルトの起源——正保4年(1647年)の長崎
松山とタルトの出会いは、江戸時代の鎖国下にまでさかのぼる。
正保4年(1647年)、ポルトガル船2隻が長崎に入港した。久松家初代松山藩主・松平定行公は、当時の幕府命令により九州西海の海上警備のため長崎に赴いた。その際に南蛮菓子「タルト」——カステラの中にジャムを巻き込んだ洋菓子——に出会い、その味の虜になったとされる。
帰松した定行公は、ポルトガルのジャムの代わりに四国特産の柚子を加えたこしあんを使い、日本人の口に合う「和製タルト」へと改良した。これが松山タルトの誕生である。製法は久松家の家伝として受け継がれ、明治以降に松山の菓子司へと技術が広まった。昭和29年(1954年)には「タルト」の名称が愛媛県菓子工業組合によって商標登録され、その後本格的に全国へ広まっていった。
タルトの種類——「一六タルト」と「六時屋タルト」を代表に
現在の松山のタルト市場は、大きく分けて2つの主流ブランドが牽引している。
一六本舗の「一六タルト」は柚子風味が強めで、しっとりとした生地と甘さ控えめの餡のバランスが特徴。六時屋の「六時屋タルト」はほんのり甘い餡と柔らかい生地が持ち味で、食感がよりきめ細かいとされる。どちらも松山を代表する銘菓であり、地元民の間では「派閥」が分かれるほどのロングセラーだ。
松山の和菓子老舗・名店ガイド6選

1. 一六本舗(1883年創業)——創業143年の松山を代表する総本家
創業: 明治16年(1883年)
本社: 愛媛県松山市問屋町
公式サイト: itm-gr.co.jp/ichiroku/
特徴: 創業年の「16」を社名に冠する一六本舗は、松山を代表する和菓子ブランドの筆頭格だ。代表商品「一六タルト」は、柔らかいカステラ生地に柚子風味のこしあんを巻き込んだロール状の和菓子で、愛媛の定番土産として全国に知られる。素材にも徹底してこだわり、国産の卵や砂糖を使用。柚子の産地である四国の地の利を活かし、ほのかに香る柚子の風味が他産地のタルトとは一線を画す。
松山空港や松山市内の主要駅・百貨店・SAなど広く流通しており、日持ちも2週間前後と手土産向き。箱入りギフトセットも充実しており、ビジネスの手土産から家族へのお土産まで幅広いニーズに対応する。
近年は「一六タルト 柚子」「一六タルト 抹茶」「一六タルト チョコ」など派生フレーバーも展開。柚子以外の味も楽しめる。
おすすめ商品: 一六タルト(柚子・定番)、一六タルト 柚子(季節限定)
2. 六時屋(1933年創業)——昭和天皇御用命の名門菓舗
創業: 昭和8年(1933年)
本社・本店: 愛媛県松山市勝山町2丁目(本店)、道後湯之町(道後店)
公式サイト: rokujiya.co.jp
特徴: 「針はまっすぐ正直に」をキャッチフレーズとする六時屋は、時計で長針と短針がまっすぐに一致する「六時」にちなんで命名された老舗菓舗だ。創業92年の歴史を持ち、昭和28年(1953年)に昭和天皇・皇后両陛下より御用命の光栄に浴した。
代表銘菓の「六時屋タルト」は、一六タルトと同様に柚子あんのロールタルトだが、生地のきめ細かさと餡のやさしい甘さで独自の味わいを確立している。松山市内の本店・道後店に加え、松山空港やJR松山駅・高速道路のSAでも購入できる。
タルト以外では、愛媛の郷土菓子「醤油餅」も六時屋の看板商品として知られる。醤油と砂糖を使った柔らかい餅菓子で、独特の塩甘さが癖になる味わい。おみやげリストに加えておきたい一品だ。
おすすめ商品: 六時屋タルト、醤油餅(しょうゆもち)
3. 山田屋まんじゅう(1867年創業)——吉田茂元首相も愛した薄皮まんじゅう
創業: 慶応3年(1867年)
本社・工場: 愛媛県松山市(正岡地区、2010年移転)
公式サイト: yamadayamanju.jp
特徴: 慶応3年(1867年)に現在の西予市宇和町卯之町で創業した山田屋は、160年近い歴史を誇る四国屈指の老舗だ。代表銘菓「山田屋まんじゅう」は、北海道産小豆だけを使ったなめらかなこしあんを、驚くほど薄い小麦粉の皮で包んだ小ぶりな蒸し饅頭。一子相伝の製法を初代から5代目まで受け継ぎ、長年ほぼ変わらない製法で作り続けている。
食通として知られた吉田茂元首相が愛した逸話でも有名で、その小ぶりながら品格のある佇まいは「究極のまんじゅう」と称されることも多い。厚みのある皮で餡を包む一般的な饅頭とは正反対のアプローチで、皮と餡のバランスが絶妙だ。
かつては西予市に本店を構えていたが、現在の主力工場は松山市内に移転しており、松山のお土産品として広く流通している。
おすすめ商品: 山田屋まんじゅう(単品・詰め合わせ)
饅頭の種類と歴史についてはこちら→「饅頭の種類一覧:蒸し・焼き・薄皮、代表的な21種を解説」
4. つぼや菓子舗(1868年創業)——元祖坊ちゃん団子の道後温泉老舗
創業: 明治元年(1868年)
所在地: 愛媛県松山市道後(道後温泉本館近く)
公式サイト: tsuboya-kashiho.com
特徴: 道後温泉本館のほど近くに店を構えるつぼや菓子舗は、明治元年(1868年)創業の老舗菓舗だ。看板商品は「元祖 坊ちゃん団子」——抹茶・卵(黄色)・小豆の三色が串に刺さった、道後温泉を代表する銘菓だ。
「坊ちゃん」の名前は、明治28年(1895年)に松山中学に赴任し、道後温泉を愛した夏目漱石の小説『坊っちゃん』(1906年刊)にちなむ。三色の団子それぞれが松山の風景を映すかのようで、旅行者が道後温泉の土産として買い求めるのに最適な一品だ。
つぼや菓子舗がある道後温泉周辺は、温泉入浴後に湯上がりの甘みを楽しむ文化が根付いており、散策しながらの食べ歩きにも対応している。夏(7〜8月)は冷やし団子も人気。
おすすめ商品: 元祖 坊ちゃん団子、季節の団子
5. 田中いもや(愛媛の郷土芋菓子)——道後温泉の芋スイーツ専門店
所在地: 愛媛県松山市道後周辺エリア
特徴: 愛媛県は農林水産省の作物統計でさつまいもの主要産地のひとつとして位置づけられており、道後温泉周辺では芋を素材にした和菓子・スイーツが複数の店舗で展開されている。芋饅頭、芋ようかん、芋大福など、愛媛産の甘味いものみずみずしさを活かした商品が道後温泉の「お湯上がりスイーツ」として観光客の間で定着しつつある。
特に7〜8月の夏場は、冷やし芋羊かんや芋を使った葛寄せなど、涼感のある和菓子が喜ばれる。道後温泉本館周辺を散策する際には、複数の店舗をはしごして食べ比べを楽しむのがおすすめだ。
おすすめ: 芋饅頭、冷やし芋ようかん(夏季限定)
6. 郷土菓子「醤油餅(しょうゆもち)」——愛媛固有の発酵文化が生んだ菓子
厳密には一店舗の銘菓ではなく、愛媛県全域に広まった郷土菓子が「醤油餅」だ。醤油と砂糖と餅を組み合わせた、他県ではほとんど見られない独特の和菓子で、六時屋をはじめ複数の松山の老舗が製造・販売している。
原材料は醤油・砂糖・水飴・もち粉などがベース。醤油の塩分が砂糖の甘さを引き立て、やわらかな餅の食感と相まって、一口食べると後引く味わいになる。もともとは宇和島地方の郷土菓子だが、現在は松山市内の主要菓子店でも購入できるようになった。
愛媛固有の「醤油菓子文化」を体験できる一品として、タルトや坊ちゃん団子に次ぐ「通好み」のお土産として注目されている。
おすすめ購入先: 六時屋(本店・道後店)、松山空港の土産物コーナー
松山の銘菓・お土産比較テーブル
松山の和菓子銘菓をお土産の用途別に整理した。
| 銘菓名 | 製造元(代表) | 特徴 | 価格帯 | 日持ち | お取り寄せ |
|---|---|---|---|---|---|
| 一六タルト(柚子) | 一六本舗(1883年) | 定番中の定番・柚子あんロール | 540円〜(1本) | 約14日 | 可(公式通販) |
| 六時屋タルト | 六時屋(1933年) | 昭和天皇御用命・しっとり生地 | 500円〜(1本) | 約14日 | 可(公式通販) |
| 山田屋まんじゅう | 山田屋(1867年) | 吉田茂元首相愛用・薄皮こしあん | 140円〜(1個) | 約10日 | 可(公式通販) |
| 元祖 坊ちゃん団子 | つぼや菓子舗(1868年) | 三色団子・道後温泉土産の代名詞 | 250円〜(3串) | 当日〜3日 | 一部可 |
| 醤油餅(しょうゆもち) | 六時屋ほか | 愛媛固有の塩甘郷土菓子 | 540円〜 | 約10日 | 可 |
| 芋菓子各種 | 道後周辺各店 | 愛媛産芋×夏の冷やし和菓子 | 300円〜 | 当日〜3日 | 不可(生菓子) |
(価格は目安・時期により変動あり、取り寄せ可否は2026年7月時点。購入前に各店公式サイトで最新情報を確認のこと)
道後温泉×和菓子——文豪と俳人が愛した城下町の甘み
松山が単なる和菓子産地にとどまらない理由は、その文化的な厚みにある。道後温泉・正岡子規・夏目漱石——この三つのキーワードが、松山の和菓子を「歴史と文学が香る甘み」へと昇華させている。
道後温泉——3,000年の歴史と和菓子の関係
道後温泉は、日本最古の温泉のひとつとして古事記や万葉集にも登場する。3,000年以上の歴史を誇る道後温泉本館(明治27年・1894年竣工、国重要文化財)を中心に、温泉街が形成されている。
湯上がりの甘みを楽しむ文化は、全国どの温泉地でも共通するが、道後温泉の場合は坊ちゃん団子が「温泉土産の定番」として定着している点が独自だ。道後温泉本館の縁側でお茶と団子を楽しんでいた文豪たちのイメージが、今日の訪問者の体験にも重なる。
正岡子規(1867〜1902年)と松山の和菓子
松山市が誇る俳人・正岡子規は、日本の俳句・短歌を近代化した革命的な文学者だ。松山市に生まれ、明治32年(1899年)に「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」という句を残すなど、松山の風土と文学は切っても切り離せない。
子規の生きた時代(明治期)は、松山のタルト文化が老舗から老舗へと受け継がれ、一六本舗が創業した時期(1883年)と重なる。子規が松山の菓子屋を訪れていた可能性は十分あり、正岡子規記念博物館(松山市道後公園)を訪れる際には、周辺の和菓子店も合わせて巡りたい。
夏目漱石と『坊っちゃん』
明治28年(1895年)、東京帝国大学(現・東京大学)卒業後に松山中学(現・愛媛県立松山東高等学校)に英語教師として赴任した夏目漱石は、松山に1年間滞在した。その体験をもとに書かれた小説『坊っちゃん』(1906年刊)は、道後温泉を舞台に主人公が伊予の自然と人情に触れる物語だ。
この小説に登場する菓子屋のモデルとなったとされるのが、つぼや菓子舗である。「坊ちゃん団子」の名称は、この小説にちなむものだ。文学作品と和菓子が結びついた例としては全国的にも珍しく、「和菓子ファン×文学ファン」の双方を引き付けるコンテンツになっている。
7〜8月・夏の松山和菓子巡りプラン
2026年7月現在(気象庁平年値: 松山市7月平均気温約27℃)、夏の松山は観光シーズン最盛期だ。道後温泉と和菓子を組み合わせた夏の巡り方を提案する。
| エリア | 和菓子スポット | おすすめ体験 |
|---|---|---|
| 道後温泉本館周辺 | つぼや菓子舗 | 温泉入浴後に坊ちゃん団子の食べ歩き |
| 道後商店街 | 六時屋道後店・各土産店 | 六時屋タルト・醤油餅をその場で試食 |
| 松山市内中心部 | 一六本舗各店・山田屋取扱店 | お土産用箱入りタルト・まんじゅう選び |
| 松山空港・駅 | 各銘菓まとめ購入 | 帰路前の松山銘菓コンプリート購入 |
(各店の営業状況は変動するため、訪問前に公式情報の確認を)
夏の松山・道後温泉で楽しめる和菓子の選び方についての全般的な知識は、夏の和菓子ガイドも参考にしてほしい。
よくある質問(FAQ)
Q1. 松山の和菓子で一番有名なものは何ですか?
松山で最も有名な和菓子は「タルト」です。カステラ生地に柚子風味のこしあんを巻き込んだロール状の和菓子で、西洋のタルト(焼き菓子)とは全く異なります。代表的なブランドは「一六タルト」(一六本舗・1883年創業)と「六時屋タルト」(六時屋・1933年創業)の2大ブランド。地元民の間では好みが分かれるほどそれぞれに根強いファンがいます。次いで有名なのが「坊ちゃん団子」(三色団子)で、道後温泉の土産の定番となっています。
Q2. 愛媛のタルトはいつ生まれたのですか?
愛媛のタルトは、正保4年(1647年)に松山藩主・松平定行公が長崎でポルトガルの南蛮菓子に接し、製法を松山に持ち帰ったのが起源とされています。ポルトガルのタルト(カステラ+ジャム)を、ジャムの代わりに柚子の香りを添えたこしあんに変えた「和製タルト」として誕生しました。その後、久松家の家伝として受け継がれ、明治以降に松山の菓子司に技術が広まりました。「タルト」の名称は昭和29年(1954年)に愛媛県菓子工業組合が商標登録しています。
Q3. 一六タルトと六時屋タルトはどちらが美味しいですか?
どちらも松山を代表するタルトですが、味の傾向が異なります。一六タルトは柚子の風味が比較的はっきりしており、生地のしっとり感が特徴。六時屋タルトは生地のきめが細かく、餡のやさしい甘さが前面に出ています。地元松山市民でも「一六派」「六時屋派」に分かれ、長年論争が続くほど。両方を食べ比べるのが松山観光の醍醐味です。日持ちはいずれも約14日間程度あり、手土産にも向いています。
Q4. 山田屋まんじゅうはどこで買えますか?
山田屋まんじゅうは、愛媛県内の百貨店・主要土産店のほか、全国の有名百貨店の物産展でも扱われます。また公式通販サイト(yamadayamanju.jp)からお取り寄せも可能です。価格は1個あたり140円前後(税込)から。日持ちは約10日程度あるため、旅行土産としても問題ありません。なお、元々の本店は西予市宇和町卯之町にありましたが、主力工場は松山市に移転しています。松山市内での購入は百貨店や土産専門店が便利です。
Q5. 道後温泉で和菓子を楽しむのに最適なタイミングは?
道後温泉での和菓子体験は、温泉入浴後が最も風情があります。湯上がりに道後商店街を散策しながら、つぼや菓子舗で坊ちゃん団子を食べ歩き、六時屋道後店でタルトや醤油餅を購入するコースがおすすめです。7〜8月の夏場は冷やし和菓子(冷やし団子・芋葛寄せなど)も登場し、暑い松山の夏に涼を感じられます。道後温泉本館が改修工事中(2019年から段階的に再開)の時期は、別棟の飛鳥乃湯泉などを利用しながら周辺を巡るのが賢明です。
Q6. 松山の和菓子はオンラインでお取り寄せできますか?
はい、主要ブランドはオンラインでのお取り寄せが可能です。一六本舗(itm-gr.co.jp)・六時屋(rokujiya.co.jp)・山田屋まんじゅう(yamadayamanju.jp)はそれぞれ公式通販サイトを持ち、全国配送に対応しています。一方、つぼや菓子舗の坊ちゃん団子など生菓子系は、一部を除きお取り寄せが難しく、現地訪問が基本となります。お取り寄せできる和菓子の選び方全般については、[和菓子のお取り寄せ人気ガイド](https://wagashi-do.jp/famous-shops/wagashi-otoriyose-ninki/)も参考にしてほしい。
Q7. 松山以外の愛媛でも和菓子は楽しめますか?
はい。愛媛県全体が四国最大の和菓子産地であるため、松山以外でも個性豊かな和菓子に出会えます。山田屋の元拠点・西予市宇和町では、歴史的な宇和町卯之町の街並みで昔ながらの和菓子が楽しめます。宇和島では「うわじまふるまい柑橘菓子」など柑橘を活かした和菓子が名物。今治ではタオルで有名な産業都市らしく、菓子店のラインナップも多彩です。愛媛全体の菓子文化については愛媛県菓子工業組合(ehime-cia.com)が発信しています。
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まとめ——松山は「タルト文化380年」が生きた和菓子の城下町
松山の和菓子が他の地方都市と一線を画す理由は、産業規模・歴史的深度・文化的蓄積という三拍子が揃っているからだ。
愛媛県の和生菓子出荷額11,208百万円(2020年、e-Stat 0004003981)という数字は、この産業が決して細くないことを証明している。四国の残る3県を合わせた額を超える圧倒的な規模は、松山を中心とした愛媛の菓子産業が長年培ってきた競争力の結果だ。
正保4年(1647年)の松平定行公による「和製タルト」の誕生から約380年——その歴史の重みを肌で感じながら老舗を巡ることが、松山の和菓子体験の本質だ。一六本舗で一六タルトを買い、道後のつぼや菓子舗で坊ちゃん団子を食べ歩き、山田屋まんじゅうを手に道後温泉の湯に浸かる。文豪・夏目漱石が歩いた同じ城下町で、同じ甘みを体験することができる——それが松山の和菓子体験の醍醐味だ。
松山を訪れる機会がある方は、ぜひ「タルト2大ブランドの食べ比べ」を旅のテーマに据えてみてほしい。どちらが好みかを選ぶその瞬間に、380年の菓子文化の重みが口の中に広がるはずだ。
日本全国の老舗和菓子屋の歴史についてはこちら→「老舗和菓子屋の歴史を辿る:創業年から読み解く菓子文化の深層」
参考情報
- e-Stat 統計表ID: 0004003981「経済センサス-活動調査、品目別都道府県別製造品出荷額等(従業者4人以上の事業所)」(2020年)
- 農林水産省「うちの郷土料理」タルト(愛媛県)掲載ページ(maff.go.jp、2026年7月確認)
- 一六本舗 公式サイト「一六タルトの歴史」(itm-gr.co.jp/ichiroku/guide/history.html、2026年7月確認)
- 株式会社六時屋 公式サイト(rokujiya.co.jp、2026年7月確認)
- 山田屋まんじゅう 公式サイト(yamadayamanju.jp、2026年7月確認)
- つぼや菓子舗 公式サイト(tsuboya-kashiho.com、2026年7月確認)
- 公益財団法人 松山観光コンベンション協会「タルト・山田屋まんじゅう」(mcvb.jp、2026年7月確認)
- 気象庁「平年値(1991〜2020年)」松山市7月平均気温データ(2026年7月参照)
- 松山市住民基本台帳(2025年1月1日時点、人口約496,666人)
- 愛媛県菓子工業組合「愛媛の伝統菓子」(ehime-cia.com、2026年7月確認)


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