「和菓子の街といえば京都」というイメージは正しいのでしょうか?実数では東京が最多、しかし人口あたりでは京都が断トツ1位——そんな意外なデータが、NTTタウンページの調査で明らかになっています。
この記事では、都道府県別の和菓子店舗数と人口あたりの密度ランキング、そして各地の代表的な銘菓を一覧にまとめます。和菓子旅行・ご当地ギフト選び・和菓子文化の研究にご活用ください。毎年8月に更新します。
和菓子店舗数の全国推移
| 年 | 全国の和菓子店舗数(目安) | トレンド |
|---|---|---|
| 2005年頃 | 約14,600店 | 最多水準 |
| 2010年頃 | 約13,000店 | 緩やかな減少 |
| 2015年頃 | 約11,442店 | 10年間で約2,200店減少 |
| 2020年頃 | 約10,500店(推計) | コロナ禍でさらに減少 |
| 2024年(推計) | 約10,000〜11,000店 | チェーン参入で一部増加 |
出典:NTTタウンページデータベース・農畜産業振興機構各種調査
全国の和菓子店は20年間で約3,000〜4,000店減少しています。後継者不足・若者の和菓子離れ・洋菓子チェーンとの競合が主な要因です。一方でコンビニの和菓子強化、インバウンド向けの高級和菓子需要、SNS映えを意識した若い世代の和菓子カフェなど新業態も生まれており、単純な衰退とは言えません。
都道府県別 和菓子店舗数ランキング(実数・上位20都道府県)
| 順位 | 都道府県 | 店舗数(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 1,000〜1,200店 | 実数最多。老舗から新感覚和菓子カフェまで多様 |
| 2位 | 大阪府 | 700〜900店 | 「食い倒れ」の街。くずや・きんつばが有名 |
| 3位 | 愛知県 | 600〜750店 | 名古屋の茶道文化・朝生文化が背景 |
| 4位 | 埼玉県 | 600〜650店 | 草加せんべい・川越の芋菓子が有名産地 |
| 5位 | 神奈川県 | 550〜650店 | 鎌倉・小田原の観光和菓子が牽引 |
| 6位 | 兵庫県 | 450〜550店 | 神戸・姫路の伝統和菓子が豊富 |
| 7位 | 北海道 | 400〜500店 | 道産食材(豆・じゃがいも等)を活かした独自文化 |
| 8位 | 福岡県 | 380〜450店 | 博多の銘菓が豊富。九州観光の土産需要 |
| 9位 | 京都府 | 350〜420店 | 実数は9位だが人口比では断トツ1位(下記参照) |
| 10位 | 静岡県 | 320〜400店 | お茶の産地。茶菓子文化が根付く |
| 11位 | 千葉県 | 300〜380店 | 東京近郊の土産需要 |
| 12位 | 広島県 | 280〜350店 | もみじまんじゅうなど観光銘菓が有名 |
| 13位 | 新潟県 | 250〜320店 | 米どころ文化。笹だんご・柿の種 |
| 14位 | 宮城県 | 240〜300店 | 萩の月・ずんだ餅等の銘菓文化 |
| 15位 | 長野県 | 230〜280店 | 信州の野山の食材を活かした素材系和菓子 |
人口10万人あたりの和菓子店舗密度ランキング
実数では東京が最多ですが、人口あたりの密度(和菓子文化の「濃さ」)では京都が断然トップです。
| 順位 | 都道府県 | 人口10万人あたりの店舗数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 京都府 | 約25.0軒 | 茶の湯文化・老舗和菓子屋が密集 |
| 2位 | 石川県 | 約21.7軒 | 金沢の和菓子文化。加賀藩以来の伝統 |
| 3位 | 島根県 | 約19.2軒 | 出雲大社の参道菓子・神事菓子が多い |
| 4位 | 山口県 | 約18.5軒(推計) | 外郎(ういろう)など銘菓文化 |
| 5位 | 奈良県 | 約18.0軒(推計) | 春日大社参道の和菓子店が密集 |
| 6位 | 富山県 | 約17.5軒(推計) | 薬業文化・富山の薬売りと和菓子の関係 |
| 7位 | 福井県 | 約17.0軒(推計) | 羽二重餅など銘菓が豊富 |
| 8位 | 岐阜県 | 約16.5軒(推計) | 飛騨・美濃の老舗文化 |
| 9位 | 秋田県 | 約16.0軒(推計) | きりたんぽ文化圏の和菓子 |
| 10位 | 愛媛県 | 約15.5軒(推計) | タルト・栗菓子文化 |
京都・石川・島根の人口密度ランキングデータ出典:NTTタウンページデータベース(2016年調査)、2024年推計値は各種調査から補完
地域別 銘菓一覧(代表的な和菓子)
北海道・東北
| 都道府県 | 代表的な銘菓 | 特徴 |
|---|---|---|
| 北海道 | 白い恋人(石屋製菓)、六花亭のバターサンド | 乳製品豊富な土地柄。洋風和菓子的な銘菓も |
| 青森 | ごぼうのっけ・南部せんべい | リンゴ・ごぼう等地域農産物を活用 |
| 岩手 | かもめの玉子(さいとう製菓)、南部せんべい | 海産物・山の幸を活かした素材系 |
| 宮城 | 萩の月(菓匠三全)、ずんだ餅 | 仙台の銘菓として全国的に有名 |
| 秋田 | 金萬(金萬屋)、ひとめぼれ最中 | 米どころの和菓子。きりたんぽ文化圏 |
| 山形 | 乃し梅(佐藤屋)、でんでん虫(木村屋) | 果物王国の恵みを活かした菓子 |
| 福島 | ままどおる(三万石)、ゆべし | 牛乳・地場食材を活かした近代的銘菓 |
関東・甲信越
| 都道府県 | 代表的な銘菓 | 特徴 |
|---|---|---|
| 東京 | 舟和の芋ようかん・虎屋の羊羹・ひよ子 | 老舗と現代感覚が共存 |
| 神奈川 | 鎌倉・鳩サブレ(豊島屋)、箱根ラスク | 観光地の土産和菓子が強い |
| 埼玉 | 草加せんべい、川越の芋菓子、十万石まんじゅう | 農産物を活かした米・芋系が中心 |
| 千葉 | 房州びわゼリー・落花生菓子 | 地域農産物との掛け合わせ |
| 新潟 | 笹だんご・柿の種(亀田製菓)、越後つまみ | 米どころの米加工菓子 |
| 長野 | 七福神(松葉屋菓子店)・くるみおはぎ | 蕎麦・山の実を使った素材系 |
中部・近畿
| 都道府県 | 代表的な銘菓 | 特徴 |
|---|---|---|
| 愛知 | ういろう、両口屋是清の銘菓 | 名古屋の茶道文化が根付く |
| 岐阜 | 柿羊羹(玉井屋)、栗きんとん(すや) | 栗・柿の産地ならでは |
| 三重 | 赤福、へんば餅 | 伊勢神宮参拝者向けの老舗土産 |
| 滋賀 | 丁稚羊羹・和菓子の里 | 近江の老舗和菓子文化 |
| 京都 | 阿闍梨餅(満月)・生八つ橋・有喜屋の生菓子 | 茶の湯文化。上生菓子の最高峰 |
| 大阪 | 粟おこし・みたらし団子・551蓬莱の豚まん | 庶民的な和菓子文化 |
| 兵庫 | 淡路島の糖蜜カステラ・神戸プリン | 洋和折衷の神戸文化 |
中国・四国・九州
| 都道府県 | 代表的な銘菓 | 特徴 |
|---|---|---|
| 広島 | もみじまんじゅう・レモンケーキ | 観光地の定番。もみじまんじゅうは年間1億個超 |
| 島根 | 若草(三英堂)・出雲ぜんざい | 出雲大社参道の和菓子文化 |
| 岡山 | 大手まんじゅう・きびだんご | 桃太郎伝説・吉備の国の菓子文化 |
| 高知 | 土佐日記(青柳)・アイスクリンどら焼 | 坂本龍馬ゆかりの地 |
| 福岡 | 博多通りもん(明月堂)・石村萬盛堂のかしわもち | 博多の老舗が有名全国区に |
| 長崎 | カステラ・浦上そぼろ | ポルトガル由来の洋和折衷菓子文化 |
| 熊本 | 陣太鼓(お菓子の香梅)・黒糖まんじゅう | 熊本城ゆかりの歴史銘菓 |
| 鹿児島 | 軽羹(かるかん)・さつまいも菓子 | 薩摩藩の伝統。芋文化が根付く |
| 沖縄 | ちんすこう・サーターアンダーギー | 琉球文化由来の独自菓子 |
和菓子店舗数が減少する中で増えているもの
| カテゴリ | 現状と動向 |
|---|---|
| 老舗個人和菓子店 | 減少傾向(後継者不足・原料高騰) |
| 和菓子チェーン(シャトレーゼ等) | 増加傾向。1,000店超のチェーンが複数 |
| 和菓子カフェ・インスタ映え和菓子 | 若い世代のオーナーによる新業態が増加 |
| 百貨店・高島屋等の専門売り場 | 縮小傾向だが高級和菓子需要は安定 |
| インバウンド向け工房体験 | 急増。特に京都・鎌倉・金沢で顕著 |
よくある質問
Q. 和菓子の消費が多い都道府県はどこですか?
消費量・支出額ともに高いのは石川・富山・京都など「食文化が豊か」とされる地域です。特に石川・富山は茶菓子・銘菓文化が根付いており、1人あたりの和菓子支出が全国トップ水準です。
Q. 和菓子店が減っている主な理由は何ですか?
後継者不足(職人技術の継承困難)・原料費高騰(砂糖・あんこ原料)・若者の和菓子離れ・洋菓子・コンビニスイーツとの競合が主な要因です。
Q. 銘菓が有名な都道府県旅行でのおすすめは?
京都(上生菓子・八つ橋)、金沢(加賀銘菓・抹茶菓子)、広島(もみじまんじゅう)、仙台(萩の月・ずんだ餅)、沖縄(ちんすこう)が観光×和菓子のおすすめエリアです。
Q. 和菓子の職人になりたい場合はどうすればよいですか?
和菓子専門の製菓学校(辻製菓専門学校等)に通うか、老舗や和菓子屋に弟子入りする方法があります。製菓衛生師資格を取得してから独立開業するルートが一般的です。
Q. 和菓子店の開業に必要な資格は?
食品衛生責任者(1日講習で取得可)と保健所への営業許可が必須です。製菓衛生師(国家資格)は必須ではありませんが、信頼性の面で取得を推奨する店が多いです。
関連記事: 和菓子の歴史と起源|縄文時代から現代まで時代別に徹底解説
関連記事: 和菓子の季語と俳句|春夏秋冬の菓子を詠む名句一覧
まとめ
都道府県別の和菓子店舗数は、実数では東京が最多(1,000〜1,200店)ですが、人口10万人あたりの密度では京都が約25軒と断トツのトップです。京都・石川・島根という「伝統文化が根付く地域」が密度ランキング上位を占めるのは、茶道・神事・地域文化に和菓子が深く結びついているためです。
全国の和菓子店舗数は2005年頃の約14,600店から2024年現在は約10,000〜11,000店へと減少していますが、和菓子カフェ・インバウンド需要・チェーン展開など新しい形での和菓子文化も生まれています。
データは毎年8月に更新します。
参考情報
- NTTタウンページデータベース「和菓子店分布調査」(2016年)
- 農畜産業振興機構「和菓子産業の強みと弱み」
- 各都道府県観光協会公開データ
- 和菓子道 関連記事:[京都の老舗和菓子店ガイド](https://wagashi-do.jp/wagashi-culture/kyoto-wagashi-shinise/)
引用・転載について: 本記事のデータを引用・転載する場合は、出典として「和菓子道(https://wagashi-do.jp)」を明記の上、リンクをお願いします。データは毎年更新予定です。


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