最終更新: 2026-09-27
「浮島」という和菓子を見かけて、「カステラに似ているけれど何が違うの?」と気になった方も多いのではないでしょうか。浮島(うきしま)は、餡を主体にした生地を蒸し上げて作る和菓子で、見た目はカステラやスポンジケーキに似ていますが、材料も作り方もまったく異なります。この記事では、浮島の基本的な特徴や名前の由来、カステラ・ういろうとの違い、種類、家庭での作り方の流れまでまとめて解説します。
浮島とは?基本をわかりやすく解説

浮島は、餡(あん)を主体とした生地に卵黄・砂糖・粉類を混ぜ合わせ、泡立てた卵白(メレンゲ)を加えて蒸し上げる和菓子です。ベーキングパウダーのような膨らし粉は使わず、卵白の起泡力だけで生地をふっくらと仕上げるのが特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | うきしま |
| 分類 | 蒸し菓子(上生菓子として扱われることもある) |
| 主原料 | 餡(白あん・小豆あん・うぐいすあんなど)、卵黄、砂糖、米粉・小麦粉、卵白 |
| 加熱方法 | 蒸す(オーブンは使わない) |
| 食感 | 水分を多く含み、しっとりとやわらかい |
| 膨らし粉 | 使用しない(卵白の力で膨らませる) |
浮島の名前の由来

浮島という名前は、蒸し上がって膨らんだ生地の様子が、水面に浮かぶ島のように見えることから付けられたといわれています。カステラのように焼き固めるのではなく、蒸気の力でふっくらと持ち上がる様子が、まさに「浮かぶ島」を連想させたのでしょう。菓銘のつけ方に季節感や情景を重ねる和菓子らしい発想といえます。
浮島とカステラ・ういろうとの違い

浮島は見た目がカステラに似ていること、蒸して作る点がういろうと共通していることから、この2つと混同されがちです。主原料と加熱方法を比べると違いがはっきりします。
| 項目 | 浮島 | カステラ | ういろう |
|---|---|---|---|
| 主原料 | 餡・卵黄・粉類 | 卵・砂糖・小麦粉 | うるち米粉・砂糖 |
| 加熱方法 | 蒸す | オーブンで焼く | 蒸す |
| 膨らませる力 | 卵白の起泡力 | 卵の起泡力+焼成による膨張 | 膨らし粉は使わず、粉と水分の配合のみ |
| 食感 | しっとりして餡の風味が濃い | ふんわりときめ細かい | もちもちして弾力がある |
| ベーキングパウダー | 不使用 | 製品によって使用する場合あり | 不使用 |
菓子メーカーの如水庵は自社コラムで、浮島とカステラの違いについて「浮島は餡を主体に蒸して作り、カステラは卵を主体に焼いて作る」と整理しています。かつては浮島とカステラを詰め合わせた商品を扱う菓子店もあり、見た目の近さから両者がセットで語られることも多いようです。
浮島の種類・バリエーション

浮島は使う餡の種類や混ぜ込む材料によって、味わいや彩りが変わります。代表的なバリエーションを紹介します。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 白あん浮島 | あっさりとした甘さで、着色して季節の意匠を表現しやすい |
| 小豆(つぶあん)浮島 | あんこの粒感を活かした素朴な味わい |
| うぐいすあん浮島 | 淡い緑色で春らしい印象に仕上がる |
| 抹茶浮島 | 生地に抹茶を混ぜ込み、ほろ苦さと彩りをプラスする |
| 栗浮島 | 栗の甘露煮を混ぜ込んだ秋向けの変わり種。[栗きんとんのレシピ](https://wagashi-do.jp/seasonal-wagashi/kurikinton-wagashi-recipe/)と同じ栗を使った季節菓子として楽しめる |
浮島の基本的な作り方の流れ
浮島は家庭でも作れる蒸し菓子です。ここでは一般的なレシピに共通する大まかな流れを紹介します。実際の分量や蒸し時間は使う型のサイズやレシピによって差があるため、作る際は参考にするレシピの指示に従ってください。
1. 餡に卵黄・砂糖・粉類(米粉や小麦粉)を加え、なめらかになるまで混ぜ合わせる
2. 卵白をしっかりとしたメレンゲ状に泡立てる
3. 餡生地にメレンゲを数回に分けて加え、気泡をつぶさないようさっくりと合わせる
4. 型に流し入れ、蒸気の上がった蒸し器で蒸す
5. 竹串を刺して生地がついてこなければ蒸し上がり。粗熱を取ってから切り分ける
メレンゲの気泡をつぶさないことと、蒸しすぎて生地が締まらないよう竹串で状態を確認することが、ふっくら仕上げるポイントです。
浮島に関するよくある質問
Q1: 浮島とすあま・ういろうの違いは何ですか?
いずれも米や粉を使う和菓子ですが、主原料が異なります。浮島は餡を主体に卵で膨らませる蒸し菓子、[すあま](https://wagashi-do.jp/wagashi-2/suama-toha/)は上新粉(うるち米の粉)に砂糖を加えて練り上げたもの、ういろうはうるち米粉を主体に蒸し固めたものです。見た目が似ていても原料と製法で区別できます。
Q2: 浮島はどんな場面で食べられますか?
上生菓子として茶席で用いられるほか、季節の意匠を凝らした和菓子として店頭に並ぶこともあります。栗や抹茶を混ぜ込んだ季節限定の浮島は、行事や季節の贈り物としても選ばれています。
Q3: 浮島は日持ちしますか?
水分を多く含む生菓子のため、日持ちは短めです。常温では当日〜翌日を目安に、なるべく早めに食べきるのがおすすめです。冷蔵する場合は乾燥を防ぐためラップでしっかり包んでください。
まとめ:浮島のポイント
- 浮島は餡を主体にした生地を、卵白の起泡力で膨らませて蒸し上げる和菓子
- 名前の由来は、蒸し上がって膨らんだ様子が水に浮かぶ島に似ていること
- カステラは卵主体で焼く、ういろうは膨らし粉を使わず蒸し固めるという点で製法が異なる
- 白あん・つぶあん・抹茶・栗など、使う材料によって味や彩りのバリエーションが広がる
- 家庭で作る場合はメレンゲの気泡をつぶさないことと、蒸し加減の見極めがポイント
浮島のような蒸し菓子に興味を持った方は、すあまとは何かや、和菓子の種類一覧もあわせてご覧ください。専門用語をまとめて確認したい場合は和菓子用語集も参考になります。
参考情報
- Wikipedia「浮島 (和菓子)」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%AE%E5%B3%B6_(%E5%92%8C%E8%8F%93%E5%AD%90))
- 如水庵「「浮島」と「カステラ」」(https://corp.josuian.jp/lab/topics/ukishima_castella/)
- cotta「しっとりやわらか。浮島レシピ」(https://www.cotta.jp/special/article/?p=4971)
- 富澤商店 レシピ「浮島」(https://tomiz.com/recipe/pro/detail/o-se-200712a-01)
- 上生菓子図鑑「うきしま(浮島)」(https://jonamagashizukan.jimdoweb.com/浮島/)


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