札幌の和菓子おすすめ6選|開拓の歴史と北海道産素材が育んだ老舗の技【2026年版】

札幌の和菓子おすすめ6選|開拓の歴史と北海道産素材が育んだ老舗の技【2026年版】 和菓子の種類

最終更新: 2026-09-30

経済産業省 経済構造実態調査(2022年、品目編)によると、北海道の和生菓子出荷額は236億68百万円で、愛知県・千葉県に次ぐ全国3位の規模です(出典:e-Stat 統計表ID: 0004048564)。「白い恋人」や「マルセイバターサンド」に代表される洋菓子王国というイメージが強い北海道ですが、実は和菓子の産業規模でも全国トップクラスに位置しています。

「北海道は洋菓子が有名だけど、和菓子のお店はあるの?」「お土産に和菓子を探しているけど何がいいかわからない」という方は多いのではないでしょうか。この記事では、和菓子の専門メディアとして、札幌を中心に北海道の和菓子文化を代表する6品を歴史・製法とともに紹介します。まず北海道に独自の和菓子文化が育った背景を解説し、次に6選の詳細と全国データでの位置づけ、エリア別の巡り方、職人キャリアまでお伝えします。

北海道に独自の和菓子文化が育った3つの理由

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北海道の和菓子は、本州とは異なる歴史的・地理的背景の中で独自の発展を遂げてきました。

要因 詳細
開拓期に本州から伝わった技術 明治以降の開拓使・屯田兵の入植にともない、本州出身の菓子職人が北海道各地で和菓子店を開業しました。函館の千秋庵総本家(1860年創業)から札幌・小樽・帯広へと「のれん分け」で技術が広がった歴史があります
全国屈指の小豆・乳製品の産地 農林水産省の作物統計調査によると、国産小豆の約94%(2019年産)は北海道産が占めます。豊富な小豆と酪農由来の乳製品が同時に手に入る土地柄から、あんこと乳製品を組み合わせた和洋折衷の菓子文化が独自に育ちました
観光・土産需要の大きさ 空港・駅・観光地での土産需要が大きく、日持ちする干菓子・焼き菓子が発達しました。老舗の看板商品の多くが「お土産の定番」として全国的な知名度を持つのはこのためです

特に小豆と乳製品が同じ土地で豊富に採れるという条件は、他の地域にはあまり見られません。この結果、北海道では「和菓子か洋菓子か」の境界があいまいな菓子が数多く生まれました。和菓子と洋菓子の違いをより詳しく知りたい方は、和菓子と洋菓子の違いを解説した記事もあわせてご覧ください。

札幌・北海道の和菓子おすすめ6選|老舗の歴史と製法

編集部が歴史・製法・入手しやすさを軸に選んだ6品を紹介します。

1. 判官さま(六花亭)――北海道神宮ゆかりの焼き餅、店舗限定の名物

項目 詳細
製造 六花亭製菓(本社・帯広市、札幌本店は2015年開業)
主な材料 そば粉入りの餅生地、北海道産つぶ餡
販売場所 六花亭神宮茶屋店(北海道神宮内)が基本、札幌まつり期間中は市内店舗でも販売
名前の由来 北海道神宮造営の功労者・初代主席開拓判官 島義勇(しま よしたけ)にちなむ

判官さまは、そば粉を練り込んだ餅生地で北海道産のつぶ餡を包み、焼き立てで提供される六花亭の名物です。餅はもちもちと柔らかく、そば粉の香ばしさとほのかな塩気のきいた餡が調和する一品で、通常は北海道神宮境内の「六花亭神宮茶屋店」でのみ購入できます。

六花亭は1933年に「帯広千秋庵」として開業し、1952年に株式会社化、1977年に社名を「六花亭」に改め、同時にマルセイバターサンドを発売しました。札幌には2015年に六花亭札幌本店ビルが開業し、道内外の菓子ファンが訪れる拠点となっています。

2. づくめ団子(四代嘉心)――根室創業、金沢・東京仕込みの技が生む黒ごま団子

項目 詳細
創業 1901年(明治34年)根室、2004年に円山へ移転
製造 北の和菓子 四代嘉心(札幌市中央区、円山裏参道)
主な材料 団子、黒切りごま、和三盆糖
特徴 5本の団子が黒ごまと和三盆にまぶされた形状

四代嘉心は1901年に根室で創業し、2004年に札幌・円山裏参道へ移転した老舗です。店主は金沢と東京で製菓修行を積んだのち、北海道ならではの素材と組み合わせた個性的な和菓子づくりに取り組んでいます。

代表銘菓「づくめ団子」は、5本の団子を香ばしい黒切りごまと上品な甘さの和三盆糖でまぶした一品です。ごまの香りと和三盆のまろやかな甘みが層になった味わいは、老舗ならではの手仕事を感じさせます。円山公園散策の合間に立ち寄る和菓子店として、地元でも観光客にも親しまれています。

3. き花・壺もなか(壺屋)――モンドセレクション39年連続金賞の実力

項目 詳細
創業 1929年(昭和4年)旭川市
発売 壺もなか(1933年)、き花(1982年)
受賞歴 き花がモンドセレクションで39年連続金賞(初受賞1988年、2011年に連続金賞日本一認定)
購入 旭川本社のほか、札幌市内の百貨店・売店でも取り扱い

壺屋は1929年に旭川で創業した老舗で、道内に広く店舗・取扱店を持つ北海道を代表する菓子舗です。創業5周年記念に発売された「壺もなか」は大納言あんと白こしあんの2種を用意する看板最中で、1982年発売の「き花」はダイヤモンドダストをイメージした干菓子として、世界食品コンクール・モンドセレクションで39年連続金賞という世界最多記録を持っています。

旭川発祥ではあるものの、札幌市内の百貨店や主要な土産物売り場でも広く取り扱われており、北海道全体を代表する銘菓として親しまれています。

4. 山親爺(千秋庵製菓)――大正創業、和と洋の境界にある北海道菓子の象徴

項目 詳細
創業 1921年(大正10年)札幌駅前通り・狸小路の交差点
発売 1930年(昭和5年)から販売開始
分類 洋風煎餅(厳密には和菓子と洋菓子の中間的な位置づけ)
特徴 バターとミルクを使用、創業者が手彫りした型を使用

千秋庵製菓(札幌千秋庵)は1921年、札幌で最も賑わっていた駅前通りと狸小路の交差点に創業しました。ルーツは1860年函館創業の千秋庵総本家にあり、のれん分けで技術が伝わった系譜の一店です。

代表商品「山親爺」は1930年から販売されている、バターとミルクを使った洋風煎餅です。厳密には和菓子というより洋菓子に近い商品ですが、北海道の菓子文化が「和」と「洋」の境界を越えて独自に発展してきたことを象徴する存在として、道民に長く愛されています。この和洋折衷の文化が生まれた背景は、前述の乳製品と小豆が同時に豊富だったという北海道特有の条件と深く関わっています。

5. 上生菓子・いちご大福(三恵堂)――保存料無添加、四季を映す手仕事

項目 詳細
創業 1977年
所在地 札幌市西区二十四軒
代表商品 季節の上生菓子(練り切り・求肥)、いちご大福、どら焼き
特徴 保存料を使わない昔ながらの製法

和菓子処 三恵堂は1977年創業、札幌市西区二十四軒に店を構える地域密着の和菓子店です。保存料を使わない昔ながらの作り方で、四季の草花や年中行事をかたどった上生菓子を手がけています。練り切りと求肥を使った上生菓子のほか、いちご大福やどら焼きなど日常使いの和菓子も揃います。求肥の性質や作り方について詳しくは求肥とは何かを解説した記事をご覧ください。

6. 明月(みつや)――親子3代、創業直後から愛される焼き菓子

項目 詳細
創業 1948年
所在地 札幌市清田区美しが丘
代表商品 明月(焼き菓子)、最中、どら焼き、大福
特徴 親子3代で経営を継承

御菓子処 みつやは1948年創業、親子3代にわたって経営を続ける札幌市清田区の和菓子店です。代表銘菓「明月」は創業後まもなく誕生した、白あんと卵の黄身を混ぜたほどよい甘さの焼き菓子で、地元で長く愛され続けています。最中・どら焼き・大福といった定番商品も手掛けており、地域に根ざした和菓子店の代表例といえます。どら焼きの生地作りについて詳しくはどら焼き生地レシピを解説した記事もあわせてご覧ください。

全国データで見る北海道の和菓子産業規模

北海道の和菓子産業がどの程度の規模を持つのか、全国データで確認してみましょう。

都道府県 和生菓子 出荷額(百万円) 事業所数 1事業所あたりの出荷額(概算)
愛知県 29,926 69件 約434百万円
千葉県 23,994 32件 約750百万円
北海道 23,668 82件 約289百万円
埼玉県 23,487 55件 約427百万円
全国計 450,715 1,734件 約260百万円

出典: e-Stat 統計表ID: 0004048564、経済産業省 経済構造実態調査(2022年、品目編)

このデータで注目したいのは、北海道の事業所数(82件)が出荷額トップの愛知県(69件)より多い一方、1事業所あたりの出荷額は上位4道県で最も小さいという点です。つまり北海道の和菓子産業は、千葉県のように少数の大規模メーカーが出荷額を牽引する構造ではなく、六花亭・千秋庵・壺屋のような道内大手から、四代嘉心・三恵堂・みつやのような地域密着の中小店まで、数多くの店が層をなして市場を支えている構造だといえます。

北海道の和菓子文化はお土産としての知名度が先行しがちですが、実際には地域ごとに個性的な老舗が根付いており、その積み重ねが全国3位という数字を生んでいます。和菓子業界の全国統計や職人の労働市場については、和菓子業界データまとめページで定点観測しています。

エリア別・札幌和菓子めぐりガイド

札幌市内の和菓子店は、中心部から住宅街まで幅広いエリアに点在しています。

エリア 主な店舗・銘菓 アクセス
大通・すすきの周辺 六花亭札幌本店(判官さまを除く定番商品)、壺屋取扱店 地下鉄大通駅・すすきの駅から徒歩圏
円山 四代嘉心(づくめ団子) 地下鉄円山公園駅から徒歩、円山裏参道
北海道神宮周辺 六花亭神宮茶屋店(判官さま) 地下鉄円山公園駅からバスまたは徒歩約15分
西区二十四軒 三恵堂(上生菓子・いちご大福) 地下鉄二十四軒駅から徒歩圏
清田区美しが丘 みつや(明月) 中心部からバス便が中心、車でのアクセスが便利

大通・円山エリアは観光の合間に立ち寄りやすく、判官さまを目当てに北海道神宮を訪れるなら神宮茶屋店まで足を延ばすのがおすすめです。一方、三恵堂やみつやのような地域密着店は中心部からやや離れており、地元の「日常の和菓子」を味わいたい場合に訪れる価値があります。

北海道で和菓子職人を目指すには

北海道には、六花亭や千秋庵製菓のような大手菓子メーカーから、四代嘉心のように他地域で修行を積んで技を持ち帰る職人まで、多様なキャリアパスがあります。四代嘉心の店主が金沢・東京で修行したように、北海道内で修業を積むだけでなく、他地域で技術を学んでから道内で店を構えるという道も一般的です。

和菓子職人に必要な資格や修行の実態については、和菓子職人になるにはを解説した記事、和菓子に関する資格の種類を解説した記事もご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 判官さまはどこで買えますか?

基本的には北海道神宮境内の「六花亭神宮茶屋店」限定です。ただし6月中旬の札幌まつり期間中は、札幌市内の六花亭各店舗でも販売されることがあります。通年で確実に入手したい場合は神宮茶屋店へ足を運ぶ必要があります。

Q. 札幌のお土産として和菓子を選ぶなら何がいいですか?

日持ちを優先するなら壺屋の「き花」や千秋庵の「山親爺」が定番です。個性的な一品を選ぶなら四代嘉心の「づくめ団子」、北海道神宮ゆかりの品を探しているなら判官さま(現地でのみ購入可)がおすすめです。

Q. 北海道の和菓子は洋菓子とどう違いますか?

判官さまやづくめ団子、明月のような餅・餡・和三盆を使う商品は伝統的な和菓子です。一方、千秋庵の山親爺のようにバターやミルクを使う商品は「洋風煎餅」に分類され、厳密には和菓子と洋菓子の中間に位置します。北海道は小豆と乳製品がともに豊富な土地柄から、この境界があいまいな菓子文化が独自に育ちました。

Q. 北海道の和菓子産業は全国でどのくらいの規模ですか?

経済産業省 経済構造実態調査(2022年)によると、北海道の和生菓子出荷額は236億68百万円で全国3位(愛知・千葉に次ぐ規模)です。事業所数は82件で、出荷額上位の道県の中では最も多く、中小規模の店が数多く市場を支える構造です。

Q. 壺屋は札幌の会社ですか?

いいえ、壺屋は1929年に旭川で創業した会社で、本社は現在も旭川市にあります。ただし札幌市内の百貨店や主要な土産物売り場でも広く取り扱われており、北海道全体を代表する銘菓として知られています。

まとめ――北海道の和菓子は「開拓の歴史」と「素材の豊かさ」で選ぶ

北海道の和生菓子出荷額は236億68百万円で全国3位、事業所数82件は上位道県で最多です(2022年経済構造実態調査、e-Stat 0004048564)。この規模の背景には、明治期の開拓とともに本州から伝わった技術と、全国の94%を占める小豆や豊富な乳製品という素材の恵みがあります。

  • 北海道神宮ゆかりの焼き餅なら → 判官さま(六花亭、神宮茶屋店限定)
  • 金沢・東京仕込みの技が生む黒ごま団子なら → づくめ団子(四代嘉心)
  • モンドセレクション39年連続金賞の実力なら → き花(壺屋)
  • 和と洋の境界にある北海道菓子の象徴なら → 山親爺(千秋庵製菓)
  • 保存料無添加、四季を映す上生菓子なら → 三恵堂
  • 親子3代が守る素朴な焼き菓子なら → 明月(みつや)

札幌旅行の手土産選びや、北海道ならではの和菓子文化を掘り下げる際の参考にしてください。

参考情報

  • e-Stat(政府統計の総合窓口) https://www.e-stat.go.jp/ 統計表ID: 0004048564(経済産業省 経済構造実態調査、2022年、品目編):北海道和生菓子 出荷額23,668百万円・事業所数82件、愛知県29,926百万円・69件、千葉県23,994百万円・32件、埼玉県23,487百万円・55件、全国計450,715百万円・1,734件(2026年9月時点データ確認)
  • 農林水産省 作物統計調査(小豆収穫量、2019年産): 国産小豆の約94%が北海道産(ホクレン公表資料 https://www.hokuren.or.jp/_greenweb_/oishii_wa_yell/?p=966 経由、2026年9月確認)
  • 六花亭製菓株式会社 沿革ページ https://www.rokkatei.co.jp/recruitment/outline/history/ :帯広千秋庵としての開業(1933年)、六花亭への改称・マルセイバターサンド発売(1977年)、札幌本店ビル開業(2015年)(2026年9月確認)
  • 判官さまの由来・販売場所について https://macaro-ni.jp/40458 (2026年9月確認)
  • 千秋庵製菓株式会社 公式サイト・沿革ページ https://senshuan.co.jp/about/history/ :札幌千秋庵の創業(1921年)、山親爺の発売(1930年、建物新築時)(2026年9月確認)
  • 壺屋総本店 公式サイト・会社概要 https://tsuboya.net/pages/company :創業年(1929年)、壺もなか(1933年)・き花(1982年)の発売年、モンドセレクション39年連続金賞(2026年9月確認)
  • 北の和菓子 四代嘉心 公式サイト https://yondaikashin.sakura.ne.jp/top.html :創業年(1901年)、円山移転(2004年)、づくめ団子の特徴(2026年9月確認)
  • 北海道新聞デジタル「長く愛される和菓子の味 札幌の老舗店の逸品を紹介」https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1167501/ :三恵堂(創業1977年)・みつや(創業1948年)の店舗情報(2026年9月確認)




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