山梨の和菓子おすすめガイド|信玄餅だけじゃない!フルーツ王国が生む銘菓と老舗7選

山梨の和菓子おすすめガイド|信玄餅だけじゃない!フルーツ王国が生む銘菓と老舗7選 老舗・名店

最終更新: 2026-07-28

ぶどう・もも・すもも、三つとも全国生産量第1位(農林水産省)。山梨県がフルーツ王国と呼ばれる背景は、そうした圧倒的な農産物の豊かさにあります。ところが、この恵まれた果物産地が育んだ和菓子文化について、山梨を訪れた人々が「信玄餅しか知らなかった」と口にすることは決して珍しくありません。

2020年の経済センサスによれば、山梨県内の和生菓子製造事業所は18か所、出荷金額は約58億円(5,846百万円)。隣の長野県が14,096百万円・54事業所であることを考えると、規模では及ばないながらも、山梨の和菓子には他の産地にはない独自の方向性があります。それが「果物と和菓子の融合」という、この土地ならではの菓子文化です。

このガイドでは、信玄餅の歴史と2ブランドの違い、明治・大正から続く老舗の銘菓、そして今の山梨でしか食べられないフルーツ系和菓子まで、地域ごとに整理してお届けします。「山梨に来たらどこへ行けばいいの?」という疑問に、具体的な店舗情報とともに答えます。

山梨の和菓子産業を数字で見る

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山梨県の和菓子産業の規模感を、政府統計データで確認してみましょう。

e-Statが示す山梨の和生菓子データ

都道府県 出荷金額(百万円) 事業所数
全国計 430,994 1,507
長野県 14,096 54
山梨県 5,846 18
山形県 1,850 25
富山県 1,026 22

出典: e-Stat 統計表ID:0004003981(経済センサス活動調査 2020年)、和生菓子製造業

山梨県の和生菓子出荷金額は約58.5億円で、事業所あたりの平均出荷金額は約3.2億円(全国平均2.9億円)と平均を上回っています。事業所数は少ないながら、1事業所あたりの生産効率が高い——これが山梨の和菓子産業の特徴です。桔梗屋や金精軒のような大手ブランドが出荷額を牽引しているためです。

より詳しい統計データは、和菓子業界データまとめでご覧いただけます。

山梨の和菓子が少ない理由と強さ

なぜ山梨は事業所数が少ないのでしょうか。地理的・歴史的な背景があります。山梨県は「盆地」の地形で、かつては甲州街道の宿場町として物流の要衝でした。菓子屋はそれぞれの宿場や城下町に集中しており、大規模な菓子文化よりも「旅の土産菓子」としての発展が中心でした。

一方、ぶどう・もも・すももが日本一の産地という強みがあるため、和菓子における果実の活用という独自路線で差別化が進みました。数は少なくとも、個性は際立っています。

山梨を代表する銘菓4選

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1. 桔梗信玄餅(桔梗屋)——昭和43年誕生の「山梨の顔」

山梨みやげといえば、まず挙がる名前が「桔梗信玄餅」です。

桔梗屋は明治22年(1889年)創業。桔梗信玄餅が誕生したのは昭和43年(1968年)で、試作品の完成は昭和43年1月、夏から販売が始まりました。当時の山梨みやげは果物や果物菓子が中心で、年間を通じて販売できる商品が少ないという課題がありました。「安倍川餅」にヒントを得て、きな粉・餅・黒みつを組み合わせた風呂敷包みの形態が生まれたのです。

項目 詳細
製造元 株式会社桔梗屋
創業 明治22年(1889年)
信玄餅発売 昭和43年(1968年)
本社・テーマパーク 山梨県笛吹市(桔梗信玄餅工場テーマパーク)
甲府本館 山梨県甲府市、平成28年(2016年)4月グランドオープン
代表商品 桔梗信玄餅、信玄桃、信玄ソフト
受賞歴 JR東日本おみやげグランプリ金賞(2017年)、モンドセレクション金賞(2012〜2014年)

風呂敷を自分でほどいて黒みつをかけるという演出が、当初は「売れないだろう」と同業者から疑問視されました。しかしその「参加型」の体験が好評を博し、今や山梨を代表する土産となっています。

「信玄桃」も桔梗屋の人気商品で、白あんの中に桃ゼリーを入れ、桃の形に成形した生菓子。ピンク色の見た目が可愛らしく、特に夏場のお土産として喜ばれます。

2. 信玄餅(金精軒)——明治35年の老舗が守る商標

実は「信玄餅」の商標を保有しているのは、桔梗屋ではなく金精軒(台ケ原金精軒)です。

金精軒製菓株式会社は明治35年(1902年)創業。甲州街道の宿場町として栄えた北杜市白州町台ヶ原に本店を構え、100年以上にわたってこの地で菓子を作り続けてきました。

項目 詳細
製造元 金精軒製菓株式会社
創業 明治35年(1902年)
本店 山梨県北杜市白州町台ケ原2632
仕込み水 甲斐駒ヶ岳の伏流水(日本名水百選)
代表商品 信玄餅、生信玄餅、水信玄餅
特徴 防腐剤・合成保存料不使用、国産もち米粉・自社焙煎きな粉

台ケ原宿は、北斎の絵に描かれた甲州街道随一の宿場町。風情ある街並みと酒蔵・醤油蔵が残る中に、金精軒の本店があります。桔梗屋の「桔梗信玄餅」とは別物と捉えてください——同じ組み合わせ(餅・きな粉・黒みつ)でも、使用する素材と製法の哲学が異なります。

特に「生信玄餅」「水信玄餅」は日持ちしないため、現地でしか食べられない限定品として知られており、長蛇の列ができることも。

3. くろ玉(澤田屋)——昭和4年誕生、うぐいす餡×黒糖羊羹の銘菓

「くろ玉」は澤田屋が昭和4年(1929年)に生み出した甲府の銘菓です。

うぐいす餡を丸めたものを、黒糖羊羹でコーティングした球形の和菓子。外は漆黒の艶があり、内部の鮮やかな緑色との対比が美しい一品です。澤田屋は明治44年(1911年)創業で、くろ玉は100年近い歴史を持ちます。

項目 詳細
製造元 澤田屋
創業 明治44年(1911年)
住所 山梨県甲府市中央4-3-24
電話 055-235-1331
営業時間 ショップ10:00〜18:00、カフェ10:00〜17:00(LO)
定休日 元日・毎週火曜日(火曜が祝日の場合を除く)
くろ玉の誕生 昭和4年(1929年)

甲府市街の本店にはカフェが併設されており、できたてのくろ玉やほうじ茶とともに季節の和菓子を楽しめます。

4. 月の雫(つきのしずく)——農水省認定の郷土菓子

「月の雫」は、甲州ぶどう(甲州種)の粒を砂糖の蜜でコーティングした、山梨ならではの郷土菓子です。農林水産省の「うちの郷土料理」に山梨県の郷土食として認定されています。

ぶどうの実に砂糖液が滴り落ちたことが起源といわれ、天保時代(1830年代)に誕生したとされる伝統菓子。甲府市内の松林軒などで購入できます。

甲府市内でおすすめの和菓子店

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甲府市は山梨県の県庁所在地。甲府城(舞鶴城)跡や武田神社を中心に、城下町の面影が残ります。そのなかに老舗の和菓子店が点在しています。

澤田屋(甲府市中央)

前述のくろ玉を生んだ老舗。甲府駅から徒歩圏内にあり、アクセス良好です。カフェでは季節の上生菓子や抹茶セットも楽しめるため、和菓子体験の拠点として最適です。季節限定品も充実しており、夏はぶどうを使った和スイーツが並びます。

桔梗屋甲府本館(甲府市)

桔梗屋の甲府中心部にある旗艦店。平成28年(2016年)4月のグランドオープン以来、甲府観光の定番スポットとなっています。桔梗信玄餅はもちろん、信玄桃や季節の生菓子なども揃います。

テーマパーク(信玄餅の詰め放題)は笛吹市の本社工場にありますが、甲府本館でも桔梗屋の世界観を存分に体験できます。

葡萄屋Kofu(甲府市 甲州夢小路)

「甲州夢小路」は甲府駅北口から徒歩すぐの観光エリアで、明治・大正時代の商家風の建物が並んでいます。葡萄屋Kofuはここに店を構え、山梨産ぶどうの果肉・果汁をふんだんに使ったスイーツを提供しています。

純粋な伝統和菓子ではありませんが、ぶどう産地ならではのこだわりスイーツとして、山梨旅行の際には外せないスポットです。和洋折衷の「ぶどう大福」なども登場し、フルーツ王国山梨の個性を存分に発揮しています。

甲州街道の宿場町で出会う和菓子

台ヶ原宿(北杜市)と金精軒

甲府市から車で約50分。北杜市白州町の台ヶ原宿は、江戸時代の甲州街道を今に伝える宿場町です。酒蔵・醤油蔵・味噌蔵が残り、「台ヶ原七里岩林道」沿いに歴史ある商家が軒を連ねます。

金精軒の台ケ原本店は、この宿場の中心にあります。日本名水百選に選ばれた甲斐駒ヶ岳の伏流水を使った信玄餅は、余計なものが入っていないシンプルな美味しさ。台ヶ原の酒蔵「七賢」を見学した後に金精軒に立ち寄るのが、地域通の楽しみ方です。

台ヶ原宿のおすすめルート
甲斐駒ヶ岳・南アルプス山麓ドライブ
山梨銘醸「七賢」(台ヶ原宿・日本酒蔵見学)
金精軒 台ケ原本店(信玄餅・生信玄餅)
白州・北杜の名水スポット

富士山麓の和菓子——河口湖エリア

富士河口湖町には明治44年(1911年)創業の老舗菓子店があり、「富士山羊羹」などのご当地銘菓が並んでいます。富士山が世界遺産に登録されたのは2013年。以降、富士山をモチーフにした和菓子・スイーツが増え、富士山型の練り切りや富士山を模した三角形の羊羹など、映える和菓子が観光客を惹きつけています。

フルーツ王国山梨ならではの果物和菓子

山梨県がぶどう・もも・すももで全国1位(農林水産省統計)の産地であることは、和菓子にも大きく影響しています。

農産物 全国順位 山梨の特徴品種
ぶどう 1位 甲州、巨峰、シャインマスカット
もも 1位 白鳳、あかつき
すもも 1位 大石早生、ソルダム

出典: 農林水産省(山梨県公式サイト掲載データ)

これらの果物を活かした和菓子が山梨の個性を作っています。

ぶどう系和菓子

  • 月の雫: 甲州ぶどうを砂糖蜜でコーティング(農水省郷土料理認定)
  • ぶどう大福: もち皮にシャインマスカットやピオーネを包んだ旬の大福
  • ぶどう羊羹: ぶどう果汁を練り込んだ羊羹

もも系和菓子

  • 信玄桃(桔梗屋): 白あん+桃ゼリーを桃の形に成形
  • もも大福: 白桃をそのまま包んだ贅沢な大福(夏季限定)
  • 桃の羊羹: 桃の風味を生かした淡いピンク色の羊羹

なぜ山梨に「果物和菓子」が多いのか

伝統的な和菓子の世界では、果物を直接使うことは少なく、素材は小豆・白あん・きな粉・寒天が基本です。しかし山梨では、あまりにも果物が身近すぎたため、江戸時代から「ぶどうを加工して保存する」発想が生まれました。月の雫がその典型例です。現代では「生の果物を和菓子に包む」スタイルが定着し、他の産地にはない果実系和菓子の充実につながっています。

また、和菓子職人の視点から見ると、山梨の果物は糖度が高く風味が豊かなため、あんこや餅との相性が良い素材です。白あんは果物の甘みや酸味を引き立てるため、信玄桃のような組み合わせが生まれました。

和菓子職人を目指す方は、和菓子職人になるには?未経験からのキャリアガイドもご参照ください。

山梨の和菓子を選ぶ際のポイント

日持ちと保存

山梨のお土産を選ぶ際、日持ちは重要なポイントです。

商品 日持ちの目安
桔梗信玄餅 製造後約30日
金精軒 信玄餅 製造後約30日
生信玄餅(金精軒) 当日中
水信玄餅(金精軒) 当日中
くろ玉(澤田屋) 製造後約7日
もも大福(旬の生菓子) 当日〜翌日
月の雫 比較的日持ち(砂糖コーティング)

遠方へのお土産には桔梗信玄餅や金精軒の信玄餅が定番。しかし現地でしか食べられない生菓子にも価値があります。「生信玄餅」や「もも大福」は旅行の醍醐味として、現地で食べることを強くおすすめします。

「信玄餅」と「桔梗信玄餅」の違い

山梨を訪れると「信玄餅」と「桔梗信玄餅」という2つの名前を目にします。

  • 信玄餅: 金精軒が商標登録を保有。台ヶ原の老舗が守る原点的な味。
  • 桔梗信玄餅: 桔梗屋が製造・販売する別ブランド。全国的な認知度が高い。

どちらも「餅・きな粉・黒みつ」の組み合わせで構成されていますが、使用する素材・製法・パッケージング(桔梗屋は風呂敷包み)に違いがあります。食べ比べてみると、それぞれの個性が見えてきます。

信玄餅の名称の由来は、戦国武将・武田信玄(1521〜1573年)です。山梨を本拠地に戦国時代を駆け抜けた名将の名を冠することで、山梨の名物としての強いイメージを確立しています。

FAQ(よくある質問)

Q1. 山梨の和菓子で一番有名なものは何ですか?

桔梗信玄餅(桔梗屋)が全国的な知名度で最も有名です。モンドセレクション金賞やJR東日本おみやげグランプリ金賞を受賞し、山梨みやげの定番として確固たる地位を持ちます。

Q2. 桔梗信玄餅と金精軒の信玄餅はどちらがおいしいですか?

どちらも美味しく、甲乙つけがたいです。桔梗信玄餅は甘さのバランスと風呂敷包みの演出が魅力。金精軒の信玄餅は日本名水百選の水を使った素材の清潔感と、商標元としての原点的な位置づけが魅力です。現地で両方を食べ比べることをおすすめします。

Q3. 山梨でしか食べられない限定和菓子はありますか?

金精軒の「生信玄餅」「水信玄餅」は当日中にお召し上がりいただく必要があるため、現地限定です。また、夏季限定のもも大福(白桃入り)は、山梨の旬の果物を使った現地でしか出合えない一品です。

Q4. 甲府駅周辺で和菓子を買えるお店はどこですか?

甲府駅北口から徒歩圏内に澤田屋(本店)があります。桔梗屋甲府本館も市街地にあり、甲州夢小路(駅北口すぐ)の葡萄屋Kofuでも山梨産果物を使った和スイーツが購入できます。

Q5. 山梨の和菓子はお土産として日持ちしますか?

桔梗信玄餅・金精軒の信玄餅はいずれも製造後約30日の日持ちがあり、遠方へのお土産に適しています。くろ玉(澤田屋)は約7日です。生菓子(もも大福・生信玄餅など)は当日〜翌日の消費が前提のため、旅行中の楽しみとして扱ってください。

Q6. 山梨の和菓子産業の規模はどのくらいですか?

2020年の経済センサス(e-Stat 統計表ID:0004003981)によると、山梨県内の和生菓子製造事業所は18か所、出荷金額は5,846百万円(約58.5億円)です。事業所数は少ないながら、1事業所あたりの生産規模は全国平均を上回っています。

Q7. 和菓子で山梨の果物を楽しむには何を選べばよいですか?

ぶどう系なら「月の雫」(甲州種ぶどう×砂糖蜜)が伝統的で、農水省郷土料理にも認定されています。もも系なら桔梗屋の「信玄桃」(白あん+桃ゼリー)。旬(7〜8月)に訪れるなら、現地の和菓子店で「もも大福」や「ぶどう大福」を探してみてください。

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まとめ

山梨の和菓子は、「信玄餅」という全国区の銘菓をはじめとして、フルーツ王国ならではの果物和菓子まで、多彩な顔を持つ菓子文化が根付いています。

今回のポイントを整理すると:

  • 山梨県の和生菓子産業: 18事業所・約58.5億円(2020年e-Stat)
  • 桔梗屋(明治22年創業)が生んだ桔梗信玄餅は昭和43年(1968年)に誕生
  • 「信玄餅」商標は金精軒(明治35年創業、台ヶ原宿)が保有
  • 澤田屋(明治44年創業)のくろ玉は昭和4年(1929年)誕生
  • 農水省郷土料理認定「月の雫」は甲州ぶどうを砂糖蜜でコーティングした伝統菓子
  • ぶどう・もも・すもも全国1位(農水省)の産地ならではの果物和菓子が充実

山梨旅行の際は、甲府市内の老舗(澤田屋・桔梗屋甲府本館)に加え、台ヶ原宿の金精軒にも足を伸ばして「生信玄餅」を味わうことを強くおすすめします。

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参考情報

  • [農林水産省「うちの郷土料理」月の雫(山梨県)](https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/tukino_shizuku_yama_nashi.html)
  • [山梨県公式「ぶどう、もも、すももの栽培面積と収穫量は日本一!!」](https://www.pref.yamanashi.jp/kaju/jyuni.html)
  • e-Stat 統計表ID: 0004003981(経済センサス活動調査 2020年 和生菓子製造業)
  • [桔梗信玄餅の歴史(桔梗屋公式)](https://themepark.kikyouya.co.jp/history/)
  • [金精軒公式サイト](https://kinseiken.co.jp/)
  • [澤田屋公式サイト](https://sawataya.jp/)



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