福島の和菓子おすすめ完全ガイド|江戸時代の老舗2店と戦後生まれのロングセラー、郡山・会津の銘菓3店を解説

福島の和菓子おすすめ完全ガイド|江戸時代の老舗2店と戦後生まれのロングセラー、郡山・会津の銘菓3店を解説 老舗・名店

最終更新: 2026-10-09

福島の和菓子といえば、郡山の「薄皮饅頭」や「ままどおる」を思い浮かべる方が多いでしょう。経済産業省・総務省の経済構造実態調査(2022年、品目編)によると、福島県の和生菓子出荷額は9,757百万円・37事業所で、全国47都道府県中19位です(e-Stat調べ、2022年時点)。宮崎県のような最下位クラスの県と比べると、東北地方の中では上位に位置する規模といえます。

この記事では、郡山の「薄皮饅頭」で知られる柏屋(嘉永5年/1852年創業)、会津若松の「香木実」で知られる会津長門屋(嘉永元年/1848年創業)、同じく郡山の「ままどおる」で知られる三万石(1967年発売)という3つの銘菓を、統計データとあわせて紹介します。江戸時代創業の老舗2店と、戦後生まれのロングセラー1店という、時代背景の異なる組み合わせが福島の和菓子文化の特徴です。

福島県の和菓子事情を数字で見る

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経済産業省・総務省の経済構造実態調査(2022年、品目編)から、福島県の和生菓子産業の規模を確認します。

項目 福島県
和生菓子 出荷額 9,757百万円(全国19位/47)
和生菓子 産出事業所数 37事業所
1事業所あたり出荷額 約263.7百万円

全国平均(出荷額合計450,715百万円÷事業所数合計1,734事業所)は1事業所あたり約259.9百万円のため、福島県の1事業所あたり出荷額は全国平均とほぼ同水準(約1.01倍)です。出荷額・事業所数ともに全国的に見て中位から上位に位置し、少数の事業所に生産が集中する構造ではなく、全国平均に近いバランスの取れた産業構造がうかがえます。業界全体の都道府県別ランキングは和菓子業界の統計まとめページでも確認できます。

なぜ福島に老舗と新定番の銘菓が共存するのか

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福島県の和菓子を調べていくと、柏屋・会津長門屋という江戸時代創業の老舗と、三万石という戦後生まれのメーカーが、ともに県を代表する銘菓として定着している点が特徴的です。和菓子の歴史をたどると、江戸時代の福島県には、奥州街道の宿場町として栄えた郡山と、会津藩の城下町として栄えた会津若松という、役割の異なる二つの中心地がありました。郡山では街道を行き交う旅人向けに柏屋の薄皮饅頭が生まれ、会津若松では藩主の命によって会津長門屋の菓子が作られました。

一方、戦後の高度経済成長期には、郡山で創業した三万石が、バター風味の生地にミルク味の餡を包んだ「ままどおる」という洋風の焼き菓子を生み出しました。これは厳密には伝統的な和菓子というより和菓子と洋菓子の中間に位置する菓子ですが、発売から半世紀以上を経て福島土産の定番として和菓子と並ぶ地位を確立しています。

「柏屋」— 嘉永5年創業、奥州街道郡山宿生まれの「薄皮饅頭」

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柏屋は、嘉永5年(1852年)に初代・本名善兵衛が、奥州街道郡山宿の中町本陣隣にあった「薄皮茶屋」で、餡をたっぷり包み皮を薄くした饅頭を考案したのが始まりです。「病に薬がいるように、健やかな者には心のなごみがいる」という思いから生まれたとされ、「餡と皮の黄金比」と評される絶妙なバランスが特徴です。

薄皮饅頭は「こしあん」と「つぶあん」の2種類が用意されており、日本三大まんじゅうの一つに数えられています。創業から170年以上を経た現在も、郡山を代表する銘菓として親しまれています。

項目 内容
店名 柏屋(かしわや)
創業 嘉永5年(1852年)
所在地 福島県郡山市富久山町久保田字宮田127-5
代表銘菓 薄皮饅頭(こしあん・つぶあん)

1952年に有限会社柏屋本店として法人化され、1992年に現在の社名(株式会社柏屋)となりました。170年以上にわたり製法を大きく変えず、餡と皮のバランスを守り続けている点が柏屋の特徴です。

「会津長門屋」— 嘉永元年創業、会津藩主ゆかりの「香木実」

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会津長門屋は、嘉永元年(1848年)に会津藩主・松平容敬の命で、庶民のための菓子作りを命じられたことから創業したと伝わる老舗です。会津若松市川原町を本店とし、江戸時代から6代にわたって菓子作りを続けています。

代表銘菓「香木実(かぐのきのみ)」は、会津産の鬼クルミを一粒丸ごと、自家製の上質なこし餡で包み、表面に黒糖をまぶした一口サイズの菓子です。トリュフチョコレートを思わせる見た目と、渋みの少ない会津産鬼クルミの旨みが特徴で、2016年の伊勢志摩サミットではおもてなし菓子としても採用されました。

項目 内容
店名 会津長門屋(あいづながとや)
創業 嘉永元年(1848年)
所在地 福島県会津若松市川原町
代表銘菓 香木実(くるみをこし餡で包んだ一口菓子)

会津藩の御用に端を発する成り立ちと、伊勢志摩サミットでの採用歴が、会津長門屋の菓子に格式を感じさせる要素といえます。

「三万石」— 1967年発売、戦後生まれの定番土産「ままどおる」

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三万石は、1946年に池田惣助・トシイ夫妻が郡山で「不二屋」として創業したのが始まりです。戦後の混乱期、知人の造り酒屋から譲り受けた酒かすで作った甘酒が評判を呼んだことがきっかけだったと伝えられています。

看板商品「ままどおる」は1967年に発売されました。バターを使った生地でミルク味の餡を包んで焼き上げた菓子で、名前はスペイン語で「お乳を飲む人々」を意味します。柏屋・会津長門屋のような江戸時代からの老舗ではありませんが、発売から半世紀以上を経て、福島を代表する土産菓子として定着しています。

項目 内容
店名 三万石(さんまんごく)
創業 1946年(「不二屋」として創業)
所在地 福島県郡山市富久山町福原字神子田7-5
代表銘菓 ままどおる(1967年発売)

伝統的な和菓子の老舗とは異なる生まれ方をした菓子が、世代を超えて定番土産として受け入れられている点が、ままどおるの特徴です。

福島の銘菓はどこで買える? 選び方のポイント

シーン おすすめの店 選び方のポイント
江戸時代からの老舗饅頭を味わいたい 柏屋(薄皮饅頭) 嘉永5年創業、こしあん・つぶあんの2種、餡と皮の黄金比
会津藩ゆかりの一口菓子を楽しみたい 会津長門屋(香木実) 嘉永元年創業、会津産鬼クルミをこし餡で包む、伊勢志摩サミット採用歴
洋風の定番土産を選びたい 三万石(ままどおる) 1967年発売、バター生地×ミルク餡、福島土産の定番

いずれも郡山または会津若松という、江戸時代の福島県で異なる役割を持った町にルーツを持ちます。老舗の歴史を味わうなら柏屋・会津長門屋、戦後生まれの定番土産を楽しむなら三万石と、目的に応じて選んでみてはいかがでしょうか。和菓子選びに迷ったときは和菓子の選び方ガイドもあわせて参考にしてください。

編集部メモ: 統計データを見ると福島県は1事業所あたり出荷額が全国平均とほぼ同水準(約1.01倍)でした。これまで取り上げた三重県(全国平均の2.2倍)のような「少数の事業所に生産が集中する」構造とは対照的で、福島県は事業所数(37)・出荷額(9,757百万円)ともに全国的に見てバランスの取れた中位の産業構造だとわかりました。調べてみると、柏屋・会津長門屋という江戸時代創業の老舗と、戦後生まれの三万石が並び立っている点も、特定の時代・立地に偏らない福島の和菓子文化を象徴しているように感じました。

福島の和菓子に関するよくある質問

Q1: 福島を代表する和菓子は何ですか?

郡山の柏屋「薄皮饅頭」、会津若松の会津長門屋「香木実」、同じく郡山の三万石「ままどおる」が代表的な銘菓です。

Q2: 柏屋の薄皮饅頭はいつからありますか?

嘉永5年(1852年)に初代・本名善兵衛が奥州街道郡山宿で考案しました。170年以上の歴史を持つ日本三大まんじゅうの一つです。

Q3: 「ままどおる」とはどんな菓子ですか?

三万石が1967年に発売した、バター風味の生地でミルク味の餡を包んで焼いた菓子です。名前はスペイン語で「お乳を飲む人々」を意味します。

Q4: 福島県は和菓子の生産が盛んなのですか?

経済産業省の経済構造実態調査(2022年)によると、福島県の和生菓子出荷額は9,757百万円で全国19位、事業所数は37。1事業所あたりの出荷額は全国平均とほぼ同水準です。

Q5: 会津長門屋の「香木実」はどんな菓子ですか?

会津産の鬼クルミを一粒丸ごとこし餡で包み、黒糖をまぶした一口菓子です。2016年の伊勢志摩サミットでおもてなし菓子として採用されました。

関連記事: 三重の和菓子おすすめ完全ガイド|赤福だけじゃない、お伊勢参りの旅人が支えた老舗3店を徹底解説

まとめ: 福島の和菓子は、郡山と会津が育てた老舗と、戦後生まれの定番が共存する

  • 福島県の和生菓子出荷額は9,757百万円(37事業所)で全国19位。1事業所あたりの出荷額は全国平均とほぼ同水準です(経済構造実態調査2022年)。
  • 柏屋(嘉永5年創業)の「薄皮饅頭」は、奥州街道郡山宿生まれの日本三大まんじゅうの一つです。
  • 会津長門屋(嘉永元年創業)の「香木実」は、会津藩主ゆかりの一口菓子で、伊勢志摩サミットでも採用されました。
  • 三万石の「ままどおる」(1967年発売)は、戦後生まれながら福島を代表する定番土産として定着しています。

福島の和菓子は、奥州街道の宿場町・郡山と会津藩の城下町・会津若松という二つの歴史的な中心地が育てた老舗と、戦後生まれのロングセラーが共存する点に特徴があります。江戸時代からの老舗の味を楽しむなら柏屋・会津長門屋、定番の洋風土産を選ぶなら三万石と、旅の目的に応じて選んでみてください。

この記事は和菓子道編集部が執筆しました。和菓子道は和菓子職人のキャリアと和菓子文化に特化した専門メディアです。

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参考情報

  • 経済産業省・総務省「経済構造実態調査」2022年(e-Stat 政府統計の総合窓口、統計表ID: 0004048564、https://www.e-stat.go.jp/)
  • 柏屋公式サイト「福島『柏屋薄皮饅頭』-日本三大まんじゅう」(https://www.usukawa.co.jp/usukawa/three_major_manjues/kashiwayausukawamanjyu/)
  • Wikipedia「柏屋(福島県の和菓子製造販売)」(https://ja.wikipedia.org/wiki/柏屋_(福島県の和菓子製造販売))
  • 会津長門屋に関する記述(https://www5b.biglobe.ne.jp/~takedala/dokugen/d1853.html)
  • 会津観光ナビ「長門屋 七日町店」(https://www.aizukanko.com/souvenir/440)
  • 三万石公式サイト「ままどおる・チョコままどおる」(https://www.sanmangoku.co.jp/products/mamadoru/)
  • 三万石公式サイト(https://www.sanmangoku.co.jp/)
  • Wikipedia「ままどおる」(https://ja.wikipedia.org/wiki/ままどおる)



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