宮崎の和菓子おすすめ完全ガイド|鯨ようかん・チーズ饅頭の老舗と由来

宮崎の和菓子おすすめ完全ガイド|鯨ようかん・チーズ饅頭の老舗と由来 老舗・名店

「宮崎の和菓子」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。経済産業省・総務省の経済構造実態調査(2022年、品目編)によると、宮崎県の和生菓子出荷額は585百万円・18事業所で、全国47都道府県中47位、つまり最下位です(e-Stat調べ、2022年時点)。鹿児島県や大分県と同じ九州でも、宮崎は和菓子産業の規模としては最も小さい県です。

ところが規模の小ささと、銘菓の個性の強さは別の話です。この記事では、江戸時代から約300年続く佐土原の郷土菓子「鯨ようかん」と、昭和58年(1983年)に生まれたご当地銘菓「チーズ饅頭」という、生まれた時代も発想もまったく異なる2つの代表銘菓と、それを作り続ける老舗を紹介します。

宮崎県の和菓子事情を数字で見る

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経済産業省・総務省の経済構造実態調査(2022年、品目編)から、宮崎県の和生菓子産業の規模を確認します。

項目 宮崎県
和生菓子 出荷額 585百万円(全国47位/47)
和生菓子 産出事業所数 18事業所
1事業所あたり出荷額 約32.5百万円

全国平均(出荷額合計450,715百万円÷事業所数合計1,734事業所)は1事業所あたり約260百万円のため、宮崎県の和菓子店は全国平均の8分の1程度の規模が中心であることがわかります。同じ九州の鹿児島県・大分県と比べても出荷額・事業所数ともに最小規模です。業界全体の都道府県別ランキングは和菓子業界の統計まとめページでも確認できます。

なぜ産業規模は小さいのに、個性の強い銘菓が残っているのか

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宮崎の和菓子を調べていくと、産業としての規模の小ささとは対照的に、他地域にはない独自性の高い銘菓が2つ存在することに気づきます。和菓子の歴史をたどると、多くの郷土銘菓は江戸時代の藩や寺社の文化を背景に生まれていますが、宮崎の場合はその典型である「鯨ようかん」と、昭和の時代に菓子職人の試行錯誤から生まれた「チーズ饅頭」という、成立の背景が40年ではなく300年近く離れた2つの菓子が並んで県を代表している点が特徴です。

「鯨ようかん」— 佐土原藩から約300年続く、米粉とあんこの郷土菓子

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鯨ようかんは、現在の宮崎市佐土原町にあった佐土原藩で生まれた郷土菓子です。宮崎市の公式サイトによると、佐土原藩主・島津惟久の幼少期に、母の松寿院が「鯨のように大きく、たくましく、力強く育ってほしい」と願って作らせたのが始まりと伝わっています。

製法は、米粉を練って蒸したあとに杵でつき、できた餅の生地を細長く伸ばして前日から仕込んだこしあんを乗せ、水溶き片栗粉で艶を出してから蒸籠で蒸し、冷やして生地同士を合わせてから切るというものです。黒・白・黒の配色と形が鯨を思わせることから、この名前が付きました。生菓子のため賞味期限が短く、「菓子の刺身」と呼ばれています。

項目 内容
店名 阪本商店(さかもとしょうてん)
創業 昭和初期
所在地 宮崎県宮崎市佐土原町上田島38-1
代表銘菓 鯨ようかん

阪本商店は昭和初期創業で、現在は3代目店主の阪本スエ子さんが店を継いでいます。鯨ようかんを製造する店舗は、現在宮崎市内に6軒ほどしか残っていません。午前8時から販売を開始し、売り切れ次第終了という生菓子特有の販売形態も、300年近く変わらず続く郷土菓子らしさを感じさせます。

「チーズ饅頭」— 昭和58年、小林市の菓子職人が生んだご当地銘菓

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チーズ饅頭は、宮崎県小林市で昭和58年(1983年)に生まれた比較的新しい銘菓です。菓子職人の伊藤光輝氏が、洋菓子の素材を和菓子に組み込めないかと試行錯誤した末に考案したとされており、鯨ようかんのような藩の歴史を背景にした菓子ではなく、戦後の菓子職人個人の発想から生まれた点が対照的です。なお発祥については、同じ小林市の「南国屋今門」も「元祖チーズ饅頭」を名乗っており、どちらが最初かについては両店の間で見解が分かれています。

項目 内容
店名 風月堂(ふうげつどう)
創業 1967年(昭和42年)
チーズ饅頭開発 1983年(昭和58年)
所在地 宮崎県小林市

風月堂は、帰省シーズンには1日1万個を製造するほどの人気商品として、チーズ饅頭を宮崎県を代表するご当地銘菓に育てた老舗です。

宮崎市内でチーズ饅頭を買うなら、専門店の「菓子処わらべ」も選択肢になります。

項目 内容
店名 菓子処わらべ
創業 1984年(昭和59年)
所在地 宮崎県宮崎市大王町(創業時は永楽町、2005年3月に移転)
代表銘菓 チーズ饅頭

わらべはもともと和洋菓子店でしたが、チーズ饅頭が評判になったことで創業から約10年後に専門店へ業態を変えました。1日の売り上げは1,000〜1,500個にのぼる人気ぶりです。

宮崎の和菓子はどこで買える? 用途別ガイド

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シーン おすすめの銘菓 選び方のポイント
郷土の歴史を味わいたい 鯨ようかん(阪本商店など佐土原の店舗) 生菓子で賞味期限が短く、当日中の消費が基本。午前中の早い時間に売り切れることが多い
帰省土産・話題性重視 チーズ饅頭(風月堂) 1日1万個製造する人気商品。日持ちは常温で比較的長い
宮崎市内で専門店の味を楽しみたい チーズ饅頭(菓子処わらべ) 専門店ならではの売り切れの早さが人気の証。宮崎市大王町の店舗で購入

鯨ようかんは生菓子のため通販に対応していない店舗が多く、現地での購入が基本です。手土産全般の選び方の基本は和菓子の選び方ガイドでも解説していますので、あわせて参考にしてください。

編集部メモ: 統計データだけを見ると宮崎県は和菓子産業の規模が全国最小という結果になりますが、調べてみると「規模の小ささ」と「銘菓の魅力」はまったく別の軸にあることがわかりました。300年近い歴史を持つ鯨ようかんと、昭和58年に個人の菓子職人が生み出したチーズ饅頭が並んで県を代表しているというのは、他県の老舗ガイドではあまり見られない組み合わせです。産業規模のランキングだけで地域の菓子文化を判断できないことを実感させられる取材でした。

宮崎の和菓子に関するよくある質問

Q1: 宮崎を代表する和菓子は何ですか?

江戸時代から続く佐土原の「鯨ようかん」と、昭和58年に生まれたご当地銘菓「チーズ饅頭」の2つが代表的です。どちらも成立した時代や背景が大きく異なります。

Q2: 鯨ようかんはどこで買えますか?

宮崎市佐土原町の阪本商店など、現在市内に6軒ほどある製造店で購入できます。生菓子のため賞味期限が短く、当日中の消費が基本です。

Q3: チーズ饅頭の発祥はどこですか?

宮崎県小林市とされており、昭和58年(1983年)に風月堂の菓子職人・伊藤光輝氏が考案したと伝わっています。ただし同市の南国屋今門も「元祖」を名乗っており、発祥については両店で見解が分かれています。

Q4: 宮崎県は和菓子の生産が盛んなのですか?

経済産業省の経済構造実態調査(2022年)によると、宮崎県の和生菓子出荷額は585百万円で全国47位(最下位)、事業所数は18。全国平均の8分の1程度の規模が中心です。

Q5: 宮崎市内でチーズ饅頭の専門店はありますか?

宮崎市大王町の「菓子処わらべ」が専門店として知られています。1984年創業で、もともと和洋菓子店でしたがチーズ饅頭の評判を受けて専門店に業態を変えました。

関連記事: 滋賀の和菓子おすすめ完全ガイド|うばがもち・三井寺力餅・埋れ木の老舗と由来

まとめ: 宮崎の和菓子は「300年」と「40年」、2つの時代が生んだ味

  • 宮崎県の和生菓子出荷額は585百万円(18事業所)で全国47位(最下位)。全国平均の8分の1程度の規模が中心です(経済構造実態調査2022年)。
  • 鯨ようかん(阪本商店など)は、佐土原藩主の母の願いから生まれたと伝わる、約300年の歴史を持つ郷土菓子です。
  • チーズ饅頭(風月堂・菓子処わらべ)は、昭和58年に菓子職人個人の発想から生まれた、比較的新しいご当地銘菓です。
  • 産業規模の小ささと銘菓の魅力は別の軸にあり、宮崎は対照的な2つの時代の菓子が県を代表する珍しい例といえます。

宮崎の和菓子は、単一の老舗が長い歴史を背負っているのではなく、300年前の藩の物語と40年前の職人個人の発想という、まったく異なる2つの時代が生んだ味です。まずは賞味期限の短い鯨ようかんを現地で味わい、持ち帰り用にチーズ饅頭を選ぶという組み合わせから試してみてはいかがでしょうか。九州の和菓子事情は鹿児島の和菓子おすすめガイドもあわせてご覧ください。

この記事は和菓子道編集部が執筆しました。和菓子道は和菓子職人のキャリアと和菓子文化に特化した専門メディアです。

詳しくは編集部についてをご覧ください。

参考情報

  • 経済産業省・総務省「経済構造実態調査」2022年(e-Stat 政府統計の総合窓口、統計表ID: 0004048564、https://www.e-stat.go.jp/)
  • 宮崎市公式サイト「宮崎食堂|朝のごちそう|鯨羊羹」(https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/miyazaki-shokudo/morning/kujirayoukan.html)
  • note「生涯現役の80歳、受け継がれる銘菓『鯨ようかん』への思い」株式会社VOWZ(https://note.com/note_vowz/n/n34ef2ee08d87)
  • Wikipedia「鯨羊羹 (宮崎市)」(https://ja.wikipedia.org/wiki/鯨羊羹_(宮崎市))
  • 風月堂公式サイト「元祖チーズ饅頭、宮崎の風月堂」(https://fugetudo.com/)
  • 宮崎日日新聞DIGITAL「みやざきロングセラー物語4 チーズ饅頭 菓子処わらべ(宮崎市)」(https://www.the-miyanichi.co.jp/miyabiz/plan/227657.html)




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