秋田の和菓子おすすめ完全ガイド|嘉永6年創業から続く老舗3店と郷土銘菓を解説

秋田の和菓子おすすめ完全ガイド|嘉永6年創業から続く老舗3店と郷土銘菓を解説 老舗・名店

最終更新: 2026-10-11

秋田の和菓子は、他県のような一極集中の銘菓ではなく、県内各地の老舗がそれぞれ独自の郷土菓子を守り続けているのが特徴です。経済産業省・総務省の経済構造実態調査(2022年、品目編)によると、秋田県の和生菓子出荷額は1,874百万円・25事業所で、全国47都道府県中38位です(e-Stat調べ、2022年時点)。1事業所あたりの出荷額は約75.0百万円で、全国平均(約259.8百万円)の約0.29倍と、これまで紹介した福島県(全国平均とほぼ同水準)よりもさらに小規模な店が多い構造です。

この記事では、嘉永6年(1853年)創業のお菓子のくらた、明治16年(1883年)創業の菓子舗榮太楼、創業140年余りの後藤福進堂という3つの老舗を、統計データとあわせて紹介します。規模としては小さい産業構造の中で、江戸末期・明治期から続く老舗が今も郷土菓子を作り続けている点が、秋田の和菓子文化の特徴です。

秋田県の和菓子事情を数字で見る

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経済産業省・総務省の経済構造実態調査(2022年、品目編)から、秋田県の和生菓子産業の規模を確認します。

項目 秋田県
和生菓子 出荷額 1,874百万円(全国38位/47)
和生菓子 産出事業所数 25事業所
1事業所あたり出荷額 約75.0百万円

全国平均(出荷額合計450,715百万円÷事業所数合計1,734事業所)は1事業所あたり約259.8百万円のため、秋田県の1事業所あたり出荷額は全国平均の約0.29倍です。福島県(全国平均とほぼ同水準の1.01倍)と比べても、秋田県は事業所数に対して出荷額が小さく、小規模な店が県内に分散している構造がうかがえます。業界全体の都道府県別ランキングは和菓子業界の統計まとめページでも確認できます。

産業規模は小さくても、老舗が長く続く理由

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出荷額データだけを見ると秋田県の和菓子産業は全国的に小規模ですが、実際に老舗を調べていくと、嘉永・明治期創業の店が複数、今も現役で商売を続けている点が目立ちます。いずれも大量生産や広域展開ではなく、地域の祭りや民謡、観光地といった地元の文化と結びついた一品を軸に、家族経営を長く続けているのが共通点です。和菓子の歴史をたどると、地方の和菓子店は江戸後期から明治にかけて、街道沿いの宿場町や城下町を中心に根付いたケースが多く、秋田県内でも湯沢・秋田市・角館といった異なる土地でそれぞれ独自の老舗文化が育ってきました。

「お菓子のくらた」— 嘉永6年創業、秋田民謡を菓銘にした老舗

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お菓子のくらたは、嘉永6年(1853年)に秋田県湯沢市で創業した老舗です。現在は本社を湯沢市黄金原に置き、県内に13店舗の直営店を展開しています。

代表銘菓の「おばこナひでこナ」は、秋田民謡「秋田おばこ」と「ひでこ節」の歌詞に登場するフレーズを菓銘にしたロングセラー商品で、カステラ生地で黒砂糖あんと白味噌あんを包んだ焼き菓子です。あんを詰めたバター生地をホイルで包んで焼く製法は同社が初めて行ったとされ、しっとりした食感が特徴です。

項目 内容
店名 お菓子のくらた
創業 嘉永6年(1853年)
所在地 秋田県湯沢市黄金原1番地(本社)
代表銘菓 おばこナひでこナ(黒砂糖あん・白味噌あんのカステラ菓子)

江戸末期創業から170年以上を経て、県内13店舗まで広がった点が、お菓子のくらたの特徴です。

「菓子舗榮太楼」— 明治16年創業、山ぶどうの「さなづら」と皇室献上の「御幸乃華」

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菓子舗榮太楼は、明治16年(1883年)1月21日に創業者・高橋長左衛門が秋田市で開業した老舗です。店の屋号「榮太楼」は、東京の榮太樓總本鋪に店の立地が似ていたことから名乗りを許可してもらったもので、暖簾分けではなく許可を得た形での開業という珍しい由来を持ちます。

代表銘菓の「さなづら」は、山野に自生する山ぶどうの果汁を濃縮し、寒天で固めた菓子です。もう一つの代表銘菓「御幸乃華」は、「もろこし」と呼ばれる干菓子の一種で、「諸々の菓子に越して風味よろしと」という言葉が名の由来とされ、皇室に献上された歴史を持ちます。

項目 内容
店名 菓子舗榮太楼(かしほえいたろう)
創業 明治16年(1883年)1月21日
所在地 秋田県秋田市高陽幸町9番11号
代表銘菓 さなづら(山ぶどうの寒天菓子)、御幸乃華(皇室献上のもろこし)

東京の老舗から名乗りを許可されて始まったという由来と、山ぶどうという秋田らしい素材を生かした菓子を140年以上作り続けている点が、菓子舗榮太楼の特徴です。

「後藤福進堂」— 創業140年余り、角館の観光地に根付く老舗

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後藤福進堂は、秋田県仙北市角館町で創業140年余りを数える老舗です。角館は江戸時代の武家屋敷が残る観光地として知られ、同店もその街並みの中で営業を続けています。

人気商品には羊羹や金柑まんじゅうがあり、羊羹は仕込みから店頭に出すまで3日を要し、気温や湿度に応じて餡を練る火加減や時間を細かく変えるなど、手作りにこだわった製法が特徴です。観光客向けの土産菓子として、手を汚さずに食べられる押し出し式の「落糸切り桜皮羊羹」も扱っています。

項目 内容
店名 後藤福進堂(ごとうふくしんどう)
創業 140年余り
所在地 秋田県仙北市角館町東勝楽丁12-2
代表銘菓 羊羹、金柑まんじゅう、落糸切り桜皮羊羹

角館の観光地としての歴史と歩みを共にしながら、手作りの製法を今も守っている点が、後藤福進堂の特徴です。

秋田の銘菓はどこで買える? 選び方のポイント

シーン おすすめの店 選び方のポイント
秋田民謡にちなんだ菓子を味わいたい お菓子のくらた(おばこナひでこナ) 嘉永6年創業、県内13店舗で手に入りやすい
秋田らしい山ぶどうの菓子を試したい 菓子舗榮太楼(さなづら・御幸乃華) 明治16年創業、皇室献上の由緒ある菓子もある
角館観光のお土産を探したい 後藤福進堂(落糸切り桜皮羊羹など) 創業140年余り、角館の街並みで買える手作り菓子

いずれも江戸末期から明治にかけてのルーツを持ち、県内の異なる土地でそれぞれの文化と結びついた菓子を守っています。民謡にちなんだ菓子を楽しむならお菓子のくらた、皇室献上の由緒を味わうなら菓子舗榮太楼、角館観光とあわせるなら後藤福進堂と、目的に応じて選んでみてください。和菓子選びに迷ったときは和菓子の選び方ガイドもあわせて参考にしてください。

編集部メモ: 統計データだけを見ると、秋田県の1事業所あたり出荷額は全国平均の約0.29倍と、これまで紹介した県の中でも小規模な構造でした。ただ実際に老舗を調べてみると、嘉永6年創業のお菓子のくらた、明治16年創業の菓子舗榮太楼、創業140年余りの後藤福進堂と、江戸末期から明治にかけて始まった老舗が3店とも今も現役で営業を続けていることがわかりました。産業規模の小ささと、個々の老舗の歴史の長さは必ずしも一致しないという点が、今回調べていて意外でした。

秋田の和菓子に関するよくある質問

Q1: 秋田を代表する和菓子は何ですか?

お菓子のくらたの「おばこナひでこナ」、菓子舗榮太楼の「さなづら」「御幸乃華」、後藤福進堂の羊羹や金柑まんじゅうなどが挙げられます。

Q2: 「おばこナひでこナ」とはどんな菓子ですか?

秋田民謡「秋田おばこ」「ひでこ節」の歌詞にちなんで名付けられた菓子で、カステラ生地で黒砂糖あんと白味噌あんを包んだ焼き菓子です。嘉永6年創業のお菓子のくらたが製造しています。

Q3: 「さなづら」とはどんな菓子ですか?

山野に自生する山ぶどうの果汁を濃縮し、寒天で固めた菓子です。明治16年創業の菓子舗榮太楼の代表銘菓で、皇室に献上された歴史を持つ「御幸乃華」も同店の銘菓です。

Q4: 角館でお土産を買うならどこがおすすめですか?

創業140年余りの後藤福進堂が角館の街並みの中で営業しており、羊羹や金柑まんじゅう、押し出し式の「落糸切り桜皮羊羹」などを扱っています。

Q5: 秋田県は和菓子の生産が盛んなのですか?

経済産業省の経済構造実態調査(2022年)によると、秋田県の和生菓子出荷額は1,874百万円で全国38位、1事業所あたりの出荷額は全国平均の約0.29倍と、小規模な店が多い構造です。

関連記事: 鳥取の和菓子おすすめ完全ガイド|慶応4年創業の老舗3店と銘菓を解説

まとめ: 秋田の和菓子は、小規模な産業構造の中で複数の老舗が郷土菓子を守る

  • 秋田県の和生菓子出荷額は1,874百万円(25事業所)で全国38位。1事業所あたりの出荷額は全国平均の約0.29倍と、小規模な店が多い構造です(経済構造実態調査2022年)。
  • お菓子のくらた(嘉永6年創業)は、秋田民謡にちなんだ「おばこナひでこナ」を、県内13店舗で展開しています。
  • 菓子舗榮太楼(明治16年創業)は、山ぶどうの「さなづら」と皇室献上の由緒を持つ「御幸乃華」を作り続けています。
  • 後藤福進堂(創業140年余り)は、角館の観光地の街並みで、手作りの羊羹や土産菓子を守っています。

秋田の和菓子は、産業規模としては小さい一方、江戸末期から明治にかけて創業した老舗が今も各地でそれぞれの郷土菓子を守り続けているのが特徴です。民謡にちなんだ菓子を味わうならお菓子のくらた、皇室献上の由緒を味わうなら菓子舗榮太楼、角館観光とあわせるなら後藤福進堂と、目的に応じて選んでみてください。

この記事は和菓子道編集部が執筆しました。和菓子道は和菓子職人のキャリアと和菓子文化に特化した専門メディアです。

詳しくは編集部についてをご覧ください。

参考情報

  • 経済産業省・総務省「経済構造実態調査」2022年(e-Stat 政府統計の総合窓口、https://www.e-stat.go.jp/)
  • お菓子のくらた公式サイト「会社概要」(https://okashinokurata.com/abouts/profile/)
  • 老舗map「お菓子のくらたで、千秋苑・おばこナ・ひでこナ」(https://shinise.tv/kurata-yuzawa/)
  • お菓子のくらた公式オンラインショップ「おばこナひでこナ」(https://okashinokurata.jp/view/item/000000000002)
  • Wikipedia「菓子舗榮太楼」(https://ja.wikipedia.org/wiki/菓子舗榮太楼)
  • 老舗map「榮太楼の甘酸っぱい”さなづら”と、御幸乃華」(http://shinise.tv/eitaro-akita/)
  • 観光メディア「and trip.」「創業140余年。角館の老舗和菓子屋【後藤福進堂】」(https://www.andtrip.jp/article/004670.html)
  • 秋田魁新報電子版「老舗和菓子屋・後藤福進堂 創業140年余り」(https://www.sakigake.jp/news/article/20240429AK0014/)
  • 仙北市公式サイト「落糸切り桜皮羊羹」(https://www.city.semboku.akita.jp/sightseeing/bussan/02_13.html)



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